水谷豊さん主演でやったドラマもおもしろかったけど、
それとは違う側面から海堂尊さんの文章を通して須磨先生のマインドが
伝わってきた。
日本人で初めて海外で心臓の公開手術を行ったとか、
オリジナルの術式を考案したとか、
もちろん日本で初めてバチスタ手術を成功させたとか、
とてつもない人。
“神の手”をもつ人
ひとところにとどまらない人
医者という仕事を選んだのは、自分が医者になっている夢をみたのが
きっかけだったそう。
後半のほうに、『チームバチスタの栄光』で医療監修をして
キッカワがオペシーンでNGを出しているときに
“ロックでなくバラードを歌うように”ってアドバイスをした、っていう
エピソードが書かれている。
この話を映画公開当時に聞いたときに
きれいなこと言うなぁと思ったけど、
この本のなかでも須磨先生の言葉は分かり易くて力がある。
医療のことを日常のことにおきかえてわかりやすく伝えてくれている。
「本物には一瞬のうちに引き込まれる。
自分が悲しんでいようが、腹を立てていようが、
それを見た瞬間に、その世界に引き込まれたなら、それは本物」
「人が自分をどう思っているとか、
ひそひそ話の中味みたいな問題よりもはるかに、
自分が自分の行為をどう思うかの方が大切」
文庫になったら買いたいなぁ。