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「旅人、泥棒、商業、羊飼いの守護神・ヘルメース」

2010-06-05 07:41:10 | ギリシャ神話

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 「神々の伝令役、能弁、体育技能、眠り、夢の神とも言われ、調子の良さではギリシャ一」


 巨人アトラースの娘マイアはゼウスの好みの美人だったらしく、お決まりの、例によって密かにオリュムポスを抜け出した(ヘーラーはお昼寝中だったという)。
 アルカディアのキレネー山中でマイヤをモノすることに成功してできた子供が泥棒神ヘルメースなのだ。
 生まれた息子は怪力の持ち主でもなければ、いきなり神託を告げるような神童でもないのだが、そこはやはりゼウスの子、ただ者じゃなかった。


 生まれたばかりのヘルメースは揺りかごから這い出すとアポローンの牧場へ行き、牝牛50頭を巧みな手段で足跡も残さずに連れ去った(赤ちゃんから目を離してはいけません)。
 密かに戻ったあとは証拠の品を火にくべ、オツムをつけて揺りかごに潜り込むという周到さ。なにやら玄人臭さを感じさせるやり口。(え~~、本当ですか!? ルパンも真っ青!!)
 しかし、そんなことはお見通しのアポローンはすぐさまやって来る。


 「隠した牛の在りかを白状しろ」


 と迫る太陽神に向かってヘルメースは、


 「オムツも取れない乳飲み子にそんなことができる筈がありません」


 ととぼける始末(おいおい、第一乳飲み子は喋りません)。


 半ばあきれ果てたアポローンはゼウスの元にヘルメースを引き立てていく。
 ここでもヘルメースの弁舌は冴えわたり…… 、ゼウスはこのはしっこい息子をすっかり気にってしまうのだった。
 そしてアポローンとの和解を命じる。この後ヘルメースは牛の隠し場所へアポローンを連れて行ったが、結局亀の甲羅で作った竪琴と、その演奏法を教えることを交換に牛をせしめてしまうのだ(狙った獲物は必ず手に入れるってか)。
 以来アポローンとヘルメースは親友となったそうだ。


 聡明なヘルメースは神や人間のために様々な貢献をしていて、サイコロと天文学を発明したのはかれであり、度量衡の制度も整えたのだ。


 商業を司り、嘘とばくち打ちと盗人の守護神(ある意味とんでもない奴)であるとされるヘルメースは、機転の利きそうな目つきをしたほっそりとした若者として表されることが多い。
 帽子と靴には翼をつけ、風よりも速く走ることができるため、ゼウスから重要な使者の役目を託されていた。
 また、ゼウスが人間に姿を変えてオリュムポスを抜け出し、夜のお遊びに出かける際には必ずヘルメースを連れて行ったという。ということは、彼はヘーラーに相当睨まれていたんじゃないだろうかと思うんだけど…… 。




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