カーボンプライシング(Carbon Pricing)とは、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出に対して価格を設定し、そのコストを企業や個人に負担させる政策のことです。これにより、温室効果ガスの排出を抑制し、低炭素技術の導入を促進することを目的としています。主な方法は以下の2つです:
1.炭素税 政府がCO2排出量に応じて直接税金を課す方法です。企業や個人が排出するCO2に対して一定の価格を設定し、排出量に応じて税金を支払います。この税金は化石燃料の使用を抑制するインセンティブとなります。
2.排出権取引制度(キャップ・アンド・トレード) 政府が全体の排出量の上限(キャップ)を設定し、その範囲内で企業に排出権(許可証)を割り当てます。企業は自社の排出量に応じて排出権を使用しますが、排出量が割り当てを超える場合は市場で追加の排出権を購入する必要があります。逆に、割り当て分よりも少ない排出を達成した企業は、余った排出権を他社に売ることができます。
これらの方法により、温室効果ガスの排出に対する経済的なインセンティブが働き、排出削減を促進することが期待されています。