前回、『ひだまりスケッチ』のEDに出てくる摩耶山の掬星台(日本三大夜景だそうです)の写真をアップしました。
しかし展望台は海に向かって、東西二箇所あるのです。乃莉が立っているのは、六甲アイランドに近い、東側の展望台っぽいですね。ベテラン向けの山寺尾根ルートは、この東側の展望台がゴールです。
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れんちゃん、いつか山寺尾根ルートも制してみたいね。
禁酒が先?
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山寺尾根ルートの階段を少し降りてみましたが、木にさえぎられて、アニメのような眺望は広がりませんね。
まやビューラインは、夏は毎日、春秋の土日祝も9時まで営業しています。掬星台は市民駐車場から歩いて10分ですから、自動車でも行けます。わざわざ山登りする必要はありません。
しかし夜景以外には、カフェと自販機があるだけですから、ショッピングやレジャーも楽しみたい人は、市の中心部からは外れていますが、六甲ガーデンテラスがおすすめです。
私は、掬星台はいまのままであってほしいのですが、再開発の波も押し寄せているようです。掬星台から歩いてすぐの、閉館したホテル「オテル・ド・摩耶」は、客もいないのに暖房を入れていました。建物が傷まないようにするためでしょうか。
3月6日の追記。オテル・ド・摩耶の解体工事が始まったようです。ある方の2月18日の登山記録より。https://yamap.com/activities/29951502/article#image-410426201
また新しいホテルができて、掬星台周辺も商業施設や駐車場を充実させて、さらに新幹線停車駅の新神戸から、布引ハーブ園を経由して掬星台まで直通のロープウェイを通す計画もあるのだそうです。
神戸がにぎやかになることはうれしいことですが、摩耶山はいまのままのんびりとした場所であってほしいなあとも思います。
さて、『まんがタイムきららキャラット』で『ひだまりスケッチ』最新話を読みました。
最新の10巻は、美大をめざす主人公のゆのっちが、実技試験対策で『まどマギ』SCENE0の「まばゆ」によく似た五十嵐さんに出会うところで終わっていました。
最新話は、宇佐美(うめ先生が卒業した武蔵美がモデルでしょう)の受験が終わったところでした。掲載誌の『キャラット』を購入するのは久しぶりですが、話はゆっくりと進んでいたようです。
『ひだまりスケッチ』の舞台は、武蔵美がある小平市の多摩地方だと思うのですが、ゆのっちが自転車に乗る練習をする、土手のある大きな川は流れていません。同じ梨っ子の大人なでしこが住んでいる昭島市など、多摩川流域のイメージも入っていると思うのですよ。
アニメファンの「聖地巡礼」は、1990年代に放映された『スラムダンク』に出てくる江ノ電の踏切からあったようですが、私がオタク界隈に聖地巡礼なる風習が生まれたのを知ったのは、精密なロケ地取材に定評のある京都アニメーションの『涼宮ハルヒの憂鬱』『らき☆すた』などの作品を知ってからです。一般層に広まったのは、『ガールズ&パンツァー 』と『君の名は。』のヒットでからではないでしょうか。
『ひだまりスケッチ』の聖地とされるのは、熊本県に実在するというアパート「ひだまり荘」と、EDに出てくる摩耶山掬星台のみです。
摩耶山も掬星台も原作には出てきません。あくまでアニメ版の演出、エピソードにとどまるものでしょう。
熊本県の「ひだまり荘」については、偶然の一致というしかありません。アパートではよくあるデザインというだけではないでしょうか。第一、屋根の形が異なります。
『ドラえもん』は、東京都練馬区や、作者の藤子・F・不二雄が住んだ川崎市などがモデルだそうですが、「聖地巡礼」が盛んだとは聞きません。
『ひだまりスケッチ』の舞台も、『ドラえもん』の世界のように、適度に都会で、適度に自然もあるというだけです。『ひだまりスケッチ』は、手塚治虫や藤子不二雄、赤塚不二夫、高橋留美子らのクラシカルな漫画の世界観・価値観を守り抜いている、貴重な作品なのだなあと思います。
しかし漫画やアニメに限らず、最近のフィクション作品は、どこかにありそうでいて、どこにもない架空の街を創り出す力に衰えを感じざるを得ません。
このはなしの続きは、またあした。