新・私に続きを記させて(くろまっくのブログ)

ハイキングに里山再生、れんちゃんとお父さんの日々。

「大阪人」リニューアル

2011年05月20日 | 読書
雑誌「大阪人」がリニューアル創刊。

A4からB5に判型が小さくなった。
月刊を隔月刊に。
そのかわり年4回の別冊を出すという。
そして、神戸女学院大学を定年退職した、内田樹センセが編集委員になった。
大阪市長特別顧問でもあるらしい。 知らなかった。

巻頭言は内田センセの「大阪を機嫌よく生きる」。
大阪まで行かないところで終わっているのが、内田センセらしい。
とりあえず、うめきた大仏建立支持。
4月9日のセンセの日記参照。
この雑誌では、内田先生のエッセイでなく、モノクロページの座談会の脚注で引用されている。
「人間が人間であるための神について」
http://blog.tatsuru.com/2011/04/09_1952.php
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阪急電鉄の小林一三は造成した千里ニュータウンの中に寺院の建立を許した。
戦後のデベロッパーの中で、「土地を守護する霊的センター」の必要性を理解できたのは小林一三が最後であろう。
「霊的なプロテクション」などというものには数値的・外形的にお示しできるエビデンスが存在しないのだから、
ビジネスマンの頭では無理である。
けれども、60年も生きてくると、いろいろ見聞してわかることもある。それは人間が暮らす空間には、
「霊的な備え」が必須だということである。
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中沢新一さんの「梅田アースダイバー」はおもしろい。
聞き手の釈徹宗さんも、いい感じだ。
「海の底から生まれた街」というタイトルが秀逸だ。
私は、「大阪」より、「なにわ」という呼び方が好きである。
語源は「浪速」とも「魚庭」ともいうけれど、上町台地を除けば、この町がもともと海の底だったことを、思い出させてくれるからだ。
お初天神通りの、あの何ともいえないジャギー感を、
「ブッシュ」と表現しているのは、さすがだと思った。

新連載の町田康さんのエッセイは、自分はもはや大坂人ではない、ということを、思い知ったという、痛恨(?)のエッセイである。
客も店員もすべて河童で、ナメクジの握りやゴカイ巻が出てくる幻覚寿司は、こわすぎるぞ。
(でも、テーマは、うどんなんだよね)

住吉区出身の岡田武史さんのインタビューはおもしろい。万代池と住吉大社がホームグラウンドで、もちろん南海ホークス子供の会。
路面電車にはねられて意識不明になったり、増水した大和川の中州に取り残されたり、やんちゃな子どもだったらしい。
気さくな大阪のおっちゃんで、代表監督時代のクールな印象とはだいぶちがう。

リニューアル前からの名企画、「大阪名物製造工程」は継続されてよかった。
今回のテーマは「マジックインキ」だ。

大阪ステーションシティ誕生記念の特集「どう変わるキタ、どうなる大阪。」は、
あまり読むところがなかった……

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2 コメント

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Unknown (くろまっく)
2011-05-27 12:54:35
あの二人の対談はそこらの漫才よりおもしろいんだけど、その本まで読む余裕ある
かな……。きのう本屋行ったけれど見かけなかったな。
内田さんの近刊では、ワンピースの名言集ストロング・ワーズ上下巻、パラパラめくって、後輩にあげました。
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Unknown (くろまっく)
2011-05-27 20:05:49
 あ、念のため、すぐにあげたのは、つまんなかったからじゃないよ。もっと喜びそうだったし、先を読む楽しみを取っておきたかったのもあるね。15巻で終わっているし。
 解説は、内田さんが自分の世代の『昭和残侠伝』のような作品だと喩えているのがおもしろかった。
 批判サイドだけど、紙屋研究所さんも、「ヤンキーマンガ」との類似性を指摘している(そうか、だからおれは好きなんだなと納得)。
 http://d.hatena.ne.jp/kamiyakenkyujo/20100701/1278010831

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