『毛皮のヴィーナス』
劇場公開日 2014年12月20日
2013年製作/96分/G/フランス・ポーランド合作
原題:La Venus a la fourrure
監督
ロマン・ポランスキー
製作
ロベール・ベンムッサ アラン・サルド
原作
L・ザッヘル=マゾッホ
解説
その名が「マゾヒズム」の語源にもなったことで知られる、19世紀オーストリアの小説家レオポルド・フォン・ザッヘル=マゾッホの自伝的小説「毛皮を着たヴィーナス」をもとにした戯曲を、「戦場のピアニスト」「おとなのけんか」の鬼才ロマン・ポランスキー監督が映画化。自信家で傲慢な演出家のトマは、オーディションに遅刻してきた無名の女優ワンダに押し切られ、渋々彼女の演技を見ることになる。がさつで厚かましく、知性の欠片も感じさせないワンダだったが、演技を始めてみると、役への理解もセリフも完璧だった。最初はワンダを見下していたトマも次第にひきつけられ、やがて2人の立場は逆転。トマはワンダに支配されることに酔いしれていく。ポランスキー監督の妻でもある女優エマニュエル・セニエがワンダ役を務め、トマ役には「潜水服は蝶の夢を見る」のマチュー・アマルリックが扮した。
『戦場のピアニスト』も観たことがないのに、16年ぶりに訪ねたテアトル梅田で最初に観た映画が『毛皮のヴィーナス』? われながら笑ってしまう。
2013年からしばらく、大晦日は映画館をハシゴして観て過ごすことにした。この日はこの作品の他にも2作は観ていて、もう1作、と思ったら、この作品が上映していたのだと思う。『戦場のピアニスト』(観たこともないのに)のポランスキーと、マゾッホの取り合わせには興味を惹かれた。
結論はアタリだった。解説にあるとおり、無名の俳優のワンダと演出家のトマしか登場しない二人劇である。主従が逆転していく心理劇に感嘆するばかりだった。あの二人はあの後、どうなってしまったのだろう。
しかし大晦日に観る映画だったかといえば、「?」ではあった。