北から西へと日本各地の温泉を書いてきて、本来ならそろそろ日本海側へ行きたいところだが、実は北陸地方も山陰地方もほとんど行ってない。ちょっとは行ってるが、ここで書くような温泉じゃなかった。そこで前回書いた三重県の榊原温泉から近いんだけど、南紀・熊野の湯の峰温泉を取り上げたいと思う。ここには幾つか宿があるが(現時点で13軒らしい)、「あづまや旅館」に泊まった。日本全体を通してもベスト級の名温泉旅館で、泉質、食事、宿の対応、周辺の雰囲気すべて素晴らしかった。
(「あづまや」のお風呂)
今まで南紀には3回行っているのだが、湯の峰に行ったのは10数年前のことである。実は榊原温泉へ行ったのと同じ時なんだけど、三重県から奈良県に入って大台ヶ原の方を回っていた。その後で十津川へ行って上湯温泉神湯荘という旅館に泊まった。ここも素晴らしい泉質の温泉だったけど、それより恐ろしいことに台風がその夜に襲ってきたのである。出発した時は影も形もなかった。旅行中に雨の日があっても不思議じゃないが、この時は近畿地方の南にあった低気圧が急発達して台風になって上陸してしまった。そんなに大きくなかったが、やはり雨風は激しい。宿の裏が山になっていて、山崩れでもあったら大変と安眠出来なかった。
(あづまや旅館)
翌日は熊野古道を歩こうと思っていたのだが、これでは無理である。台風自体は一夜で通り過ぎて台風一過だったけれど、古道探訪は無理だろう。では新宮方面の観光施設(佐藤春夫記念館など)に先に行っておこうかと思ったんだけど、途中でとんでもないニュースが…。熊野川が増水して氾濫したというのである。国道は通行止めになった。行くとこもないから通行止め地点まで行ってみたが、確かに遠くで道が冠水しているのが見えた。これは困ったな、やることが何もない。観光施設みたいな場所もないし、あっても閉まってる。食事するところも開いてない。ようやくうどん屋を見つけて食べたのだが、さてそれからどうする?
(つぼ湯)
そこでガイドをよく見てたら、なんとあづまやのチェックイン時間は午後1時になっているではないか。ホントにそんなに早く入れるのか。一応電話して確かめたら、その日も1時に宿に入れるという。そこでほとんど1時すぐにチェックインしわけである。そこには加水なし源泉100%、源泉92.5度という湯が適温でお風呂に満ちている。泉質は「含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉」とあるが、とても柔らかくてさっぱりした感じの名湯だった。宿の風呂もいいけれど、湯の峰温泉の名物は川のそばに自噴する岩風呂「つぼ湯」である。何しろ史跡に指定され、そして今では世界遺産になっている。世界唯一の温泉の世界遺産である。
(つぼ湯)
日本各地で名物の外風呂があれば、時間を作って寄ってきた。長野県の野沢温泉や渋温泉の外湯などである。今度も是非行きたいわけだが、見に行って驚いた。川が完全に増水している。氾濫するまでにはなってないけど、山の中だから恐ろしいほどの急流である。轟音を立てて流れすぎている。「つぼ湯」?、どこにあるのか。入れるとか入れないとかのレベルではない。全く水没しているではないか。そんなことがあるのか。ということで、その日はアウト。翌朝は水も引いていて、つぼ湯は朝からやっていた。では、朝食前に一風呂浴びようか。普段はずごく待ち時間が長いようだが、この時はさすがにすぐに入れた。ま、そういう事情だから、入ったという記憶しかないんだけど。妻はどうせ川の湯が混じっているとかいって行かなかった。
湯の峰温泉は「小栗判官・照手姫」の伝説の場所である。それって、何だ。僕の世代ではもう通じない話で、読み方も判らないだろう人のために書いておくと、「おぐりはんがん・てるてひめ」である。中世の芸能である「説経節」で知られたという。簡単に言えば、死んだ小栗判官が蘇ったというぐらいの名湯だという話である。それは伝説としても、古代以来の熊野詣でのおりに遙々京からやってきた貴族たちも浸かったと記録にある。熊野本宮もものすごい「パワースポット」で、そんなことに何の関心もない僕でさえ、ここには何かありそうな気がしたぐらい。火山もないのに何でここらに温泉がいっぱいあるのか。いろんな説があるようだが、古い温泉街も趣ある日本有数の名湯だ。
(「あづまや」のお風呂)
今まで南紀には3回行っているのだが、湯の峰に行ったのは10数年前のことである。実は榊原温泉へ行ったのと同じ時なんだけど、三重県から奈良県に入って大台ヶ原の方を回っていた。その後で十津川へ行って上湯温泉神湯荘という旅館に泊まった。ここも素晴らしい泉質の温泉だったけど、それより恐ろしいことに台風がその夜に襲ってきたのである。出発した時は影も形もなかった。旅行中に雨の日があっても不思議じゃないが、この時は近畿地方の南にあった低気圧が急発達して台風になって上陸してしまった。そんなに大きくなかったが、やはり雨風は激しい。宿の裏が山になっていて、山崩れでもあったら大変と安眠出来なかった。
(あづまや旅館)
翌日は熊野古道を歩こうと思っていたのだが、これでは無理である。台風自体は一夜で通り過ぎて台風一過だったけれど、古道探訪は無理だろう。では新宮方面の観光施設(佐藤春夫記念館など)に先に行っておこうかと思ったんだけど、途中でとんでもないニュースが…。熊野川が増水して氾濫したというのである。国道は通行止めになった。行くとこもないから通行止め地点まで行ってみたが、確かに遠くで道が冠水しているのが見えた。これは困ったな、やることが何もない。観光施設みたいな場所もないし、あっても閉まってる。食事するところも開いてない。ようやくうどん屋を見つけて食べたのだが、さてそれからどうする?
(つぼ湯)
そこでガイドをよく見てたら、なんとあづまやのチェックイン時間は午後1時になっているではないか。ホントにそんなに早く入れるのか。一応電話して確かめたら、その日も1時に宿に入れるという。そこでほとんど1時すぐにチェックインしわけである。そこには加水なし源泉100%、源泉92.5度という湯が適温でお風呂に満ちている。泉質は「含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉」とあるが、とても柔らかくてさっぱりした感じの名湯だった。宿の風呂もいいけれど、湯の峰温泉の名物は川のそばに自噴する岩風呂「つぼ湯」である。何しろ史跡に指定され、そして今では世界遺産になっている。世界唯一の温泉の世界遺産である。
(つぼ湯)
日本各地で名物の外風呂があれば、時間を作って寄ってきた。長野県の野沢温泉や渋温泉の外湯などである。今度も是非行きたいわけだが、見に行って驚いた。川が完全に増水している。氾濫するまでにはなってないけど、山の中だから恐ろしいほどの急流である。轟音を立てて流れすぎている。「つぼ湯」?、どこにあるのか。入れるとか入れないとかのレベルではない。全く水没しているではないか。そんなことがあるのか。ということで、その日はアウト。翌朝は水も引いていて、つぼ湯は朝からやっていた。では、朝食前に一風呂浴びようか。普段はずごく待ち時間が長いようだが、この時はさすがにすぐに入れた。ま、そういう事情だから、入ったという記憶しかないんだけど。妻はどうせ川の湯が混じっているとかいって行かなかった。
湯の峰温泉は「小栗判官・照手姫」の伝説の場所である。それって、何だ。僕の世代ではもう通じない話で、読み方も判らないだろう人のために書いておくと、「おぐりはんがん・てるてひめ」である。中世の芸能である「説経節」で知られたという。簡単に言えば、死んだ小栗判官が蘇ったというぐらいの名湯だという話である。それは伝説としても、古代以来の熊野詣でのおりに遙々京からやってきた貴族たちも浸かったと記録にある。熊野本宮もものすごい「パワースポット」で、そんなことに何の関心もない僕でさえ、ここには何かありそうな気がしたぐらい。火山もないのに何でここらに温泉がいっぱいあるのか。いろんな説があるようだが、古い温泉街も趣ある日本有数の名湯だ。
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