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M.M.

2012年10月10日 00時54分55秒 | 日記
とにかくモンローが好きだった。
わたしが彼女に恋をしたのは、小学生の高学年の頃。
テレビの『奥様洋画劇場』を、学校から帰るや否や、食い入るように見ていたっけ。

『ナイアガラ』に登場するモンローは、少年のハートを鷲掴みにして離さなかった。

性に目覚める前の悶々とした恋心を、彼女は乱しに乱した。
宿題にも身が入らない日々が続くのだ。
成就するはずもない恋の悩みは、意外にも長く続く事になる。
しかしそれは映画に対する興味に、軟着陸する。

今思えば、モンローへの憧れが女性観の基準にまで昇格してしまったような気がする。
それはある意味不幸なことでもある。
彼女に匹敵する女性なんか、目の前に現れるはずがないからね。

だって『7年目の浮気』みたいに、地下鉄から吹き上げる風にスカートがめくれあがっても絵になる女性なんて、いないに等しいから。
それは虚構が投影する擬似現実とも言える…

存在感のあるスターと、秀逸な脚本と監督。
映画が人生の示唆をたくさん埋蔵していた時代を生きてきたんだなあ…

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