アンパンマンの生みの親、やなせたかしさんは、
良い詩や良いお話などを多数創作されています。
やなせさんのお話は、子供でも分かりやすい簡単な内容が多いですが、
深い意味も込められており、大人でも感動する内容のものがあります。
やなせさんが書かれた絵本「そっくりのくりのき」という本があります。
ある山の頂上に年寄りの栗の木が一本生えていて、
その根元の穴にはキツネの子が住んでいました。
キツネの子は一人ぼっちの子でしたが、
栗の木と仲良しなので、寂しくありませんでした。
しかし、ある晩の事、大きな雷が栗の木に落ちてきて、
栗の木は消えて無くなってしまいました。
キツネの子は、大好きな栗の木が消えてしまいショックを受けます。
そこら中を探し周りますがどこにも見つかりません。
とうとう山のふもとまで、降りた時、
誰かがキツネの子を呼びます。
声がした方を見てみると、周りがすべて栗の木林となっていました。
頂上に生えていた栗の木からふもとに落ちた栗の実が、
ふもとで栗の木に成長していたのです。
なので、頂上にいた栗の木とそっくりな栗の木がたくさん生えていた、というお話です。
人生には、必ず愛する人との別れがあります。
お釈迦様の言われた愛別離苦という事です。
しかし、この物語に書いてあるように、
命は無くなったように見えるけれど、
次世代に命のバトンを繫いでいて、
その命もまた次の世代にバトンを渡します。
「生生流転」(せいせいるてん)
世の中のすべての物は、次々と生まれては時間の経過とともに
いつまでも変化し続けていくという意味です。
この世の中には、
男もいて、女もいる。
子供から、大人になって、お年寄りになる。
健康の日もあれば、病気の日もある。
善い事をしたり、悪い事をしたりする。
冬が過ぎれば、春になる。
生もあれば、死もある。
相反する二つの物事が、常に変化して、
バランスが保たれています。
「平家物語」で有名な言葉は、
この人生観の情緒を見事に表しています。
「諸行無常の響きあり」
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