今日、仕事の休憩中に
スマホでやなせたかしさんの事を何気なく調べていたら
やなせさんの好きな詩という事で
金子みすゞさんの「繭とお墓」という詩に出会いました。
「繭とお墓」 金子みすゞ
蚕(かいこ)は繭(まゆ)にはいります、
きゅうくつそうなあの繭に。
けれど、蚕はうれしかろ、
蝶々になって飛べるのよ。
人はお墓へ入ります、
暗いさみしいあの墓へ。
そして、いい子は翅(はね)が生え、
天使になって飛べるのよ。
その詩を読んだとき、
よく意味が分からなかった。
蚕の事についても知らなかったため
蚕の事を調べていくうちに、なんだか泣けてきた。
蚕とは人間が数千年かけて
野生の蛾を家畜化した虫で、
蚕が生み出した繭から糸を手に入れるために
飼育しています。
しかし、繭に入って成虫になる前に
人間に殺されてしまいます。
人間による品種改良により
仮に成虫になっても、飛べないうえに
口から餌も食べられず、羽はあるけど飛べません。
勿論、蛾ですので、きれいな蝶々にはなりません。。。
幼くしてこの世を去ったかわいそうな人間の子供と、
人間の都合によって働かされ、成虫になる前に殺される運命の蚕。
この対句を、
実にシンプルに、端的に
また単純な言葉で、ごく自然に歌い上げています。
金子みすゞさん自身も26歳でお亡くなりになられた
そうですが、
とんでもなく冷静に、
この世の無常を、人間の残酷さを、また悲しみを、
ありのまま見つめておられるのですね。
金子みすゞさんは
せめて詩の中では、蚕と子供に
美しい姿で自由に羽ばたけるようにと、
されていたのですね。お優しい。。。
やなせさんの金子みすゞさんの詩の感想
「詩を読むと、心の中の弱い部分が少し痛むこともあるが、
時には、生きることについて、
そして気づかずにいた当たり前のことに気がついてびっくりしたりする」
↓ぼくの動画です↓
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