まだ終わらんよ!

シアラーがカンテのインサイドハーフ起用に疑問

 元イングランド代表FWのシアラーイングランド・プレミアリーグの第13節でトッテナムに1-3で敗れたチェルシーの中盤について、「レスタープレミアリーグで優勝した時、CBは(ジャマイカ代表DF)モーガンと(元ドイツ代表DF)フートのペアだった。優れたDFだったが、ともにクイックさはなかった。しかし、その不足を(フランス代表MF)カンテがカバーしていた。文句なしに世界最高の守備的MFだ。(イタリア代表MF)ジョルジーニョは彼と同じクラスではない。」と、今夏イタリア・セリエAナポリからチェルシーに加入したジョルジーニョよりもかつてレスターでもプレーしたカンテの方が守備的MFとしては優れていると評しました。

 続けてシアラーは「トッテナム戦のカンテは無駄遣いされていた。彼は攻撃的MFではないのに。」と言及し、今季からチェルシーの指揮を執るサッリ監督は4-3-3の4バックの前になる中盤の底にジョルジーニョを据えていますが、ジョルジーニョの前のインサイドハーフの位置で起用されているカンテを中盤の底に据えてレスター在籍時と同じようなタスクを課すべきだと主張しました。

 これは文化の違いというか、プレミアリーグフットボールと、セリエAの所謂カルチョの違いだと思います。

 1990年代の中盤は4バックの前に2枚並べるダブルボランチが主流だったと思いますが、21世紀になると中盤は4バックの前に1枚、そしてその前に2枚の逆三角形とさらにその前は3トップの4-3-3が主流になったと思います。

 プレミアリーグモウリーニョ監督チェルシー然り。

 スペイン・リーガ・エスパニョーラライカールト監督然り。

 同時にボランチに変わり、4バックの前になる中盤の底はアンカー、その前の2枚はセントラルMFやピボーテと呼ばれることが多くなったと思います。

 また、ダブルボランチの多くは主に守備を担うボランチと攻撃もしくはゲームメイクを担うボランチに分類されていましたが(ダブル守備ボランチもありましたが)、前者がアンカー、後者はセントラルMFやピボーテへと役割や位置を変えていったと思います。

 一方、21世紀のセリエAも中盤は4バックの前に2枚並べるダブルボランチから4バックの前に1枚据えていくようになるのですが、プレミアリーグリーガ・エスパニョーラではダブルボランチの守備型が据えられるところにセリエAアンチェロッティ監督によってダブルボランチの特にゲームメイクを担う方、アンカーではなく所謂レジスタが据えられるようになったと思います。

 同時にプレミアリーグリーガ・エスパニョーラでは4-3-3でしたが、セリエAではトップ下を据える4-3-1-2や4-3-2-1となり、ダブルボランチの守備の方と攻撃を担う方が4バックの前に据えられたゲームメイクを担うボランチとなるレジスタの両脇を担うのが主流になっていったと思います。

 その後コンテ監督ユベントスによって、セリエAでもトップ下を据えない3トップが主流になったと思いますが、コンテ監督ユーべでレジスタを担った元イタリア代表MFピルロを4-3-3の4バックの前の1枚に据える、コンテ監督の後任のアッレグリ監督はダブルボランチのシステムも使い分けながら4-3-3では同様にピルロを据え、ピルロ退団後はボスニア・ヘルツェゴビナ代表MFピアニッチを据えて。

 そして、ナポリではサッリ監督が4-3-3の4バックの前にジョルジーニョを据えて。

 一方、4-3-1-2や4-3-2-1ではレジスタの両脇を固めていた守備のボランチと攻撃のボランチが4バックの前の1枚のその前、プレミアリーグリーガ・エスパニョーラのピボーテやセントラルMFの位置に据えられたと思います。

 ユーべの元ドイツ代表MFケディラ然り。

 これらの背景には、プレミアリーグリーガ・エスパニョーラセリエAでのボランチもしくはセンターハーフに対する考え方の違いだと思います。

 特にダブルボランチの攻撃もしくはゲームメイクを担うボランチ、攻撃もしくはゲームメイクと書きましたが、プレミアリーグはそこが万能型のセントラルMFであったり。

 一方で、セリエAでは前者がインクルソーレ、後者がレジスタであって。

 ローマカペッロ監督は元日本代表MF中田英寿の前でグリッシーニを並べ、インクルソーレでの起用法について説明する文化が存在する訳です。

 その一方で、チェルシーベルギー代表MFアザールは以前モウリーニョ監督コンテ監督の起用法について聞かれた際に、モウリーニョ監督は並べるだけと答えてしまう訳です。

 なので、話を戻すとシアラーサッリ監督では平行線のままだと思いますが、サッリ監督は前任のコンテ監督のように、状況によってはダブルボランチに戻すことも考える必要があるのではないかと思います。

 そうなるとカンテの横にはジョルジーニョよりも元スペイン代表MFセスクの方が合っているかもしれません。

 ただ、ジョルジーニョの位置にセスクは、レジスタとピボーテの違いで合っていないと思います。


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