ちょうど不染亭と背中合わせに建てられている。
右手に「中院」の説明板があるが、この石碑については書かれていない。
左側に「島崎藤村先生記念碑」と書かれた看板があるが、石碑との境の杭と竹の枠の外側に立てられている。
この石碑と関係あるのか、ないのか微妙な位置にあるが、この石碑のことだろう。
石碑には「不染」と彫られているだけで、他には何もない。
裏側に何か彫られている様な気がしたが、入ってよいものか分からない。
砂地が石碑の左から裏側に続いているので、そこから裏に回ると、やはり碑文があった。
そこには、つぎのように刻まれていた。
島崎藤村先生碑
表題 不染 の字は藤村先生が静子夫人の
母 加藤みき刀自に 昭和四年に贈られた
扁額を謹写 勤刻したものである
義母加藤みき刀自は 茶道の師匠で 不染と
号す 依つて先生は 不染亭 と揮毫し贈る
星野山中院は加藤家の菩提寺で先生の義母
蓮月不染大姉の奥津域も境内の墓所に有り
藤村先生 義母の葬儀 法要に幾度か来山せ
られ 殊の外志垂桜・竹林を愛さる ここに
先生の面影を偲び記念碑を建立す
記念碑建立に際し 静子夫人の里 新富町
加藤マツイ夫人(義姉)のご好意と 藤村先生の
里 馬籠の島崎楠雄氏(ご長男)のご指示を謝す
昭和五十五年八月二十二日藤村先生命日
天台宗別格本山中院六十七世新海 印
不染亭の脇にある石碑はよく読まれていると思うが、こちらは場所的にあまり読まれていないだろう。
二つの碑文の内容を合わせると、島崎藤村、加藤みき、中院の関係がより分かる。
この際、説明板は境内の他の場所、例えば本堂の前などに移し、碑の看板をその趾に立てたらどうだろうか。
また、看板には碑裏に碑文があること、そこに入って良いことを表示してもらえるとありがたい。
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