川崎の巾着田へ入ってすぐ、見覚えのある花が一面に咲いていた。
以前、旧県立川越図書館の脇の機械室の東側で、お花畑を作っていた花であった。
その花の名前は分からず、気になっていた。
ある日、テレビを見ていると、野草を書いた女性の画家が紹介されていた。
その絵の中に、「こんぺいとう」という名の花があった。
小さな花が集まった丸い形をしており、名の分からなかった花によく似ていた。
その「こんぺいとう」という名を手がかりに調べてみた。
残念ながら、こんぺいとうという花は、探していたものとは違った。
でもその過程で、例の花の写真を見つけた。名前は、「ヒメツルソバ」と書かれていた。
なんでも、ヒマラヤ原産のタデ科の多年草で、明治時代に園芸用として導入されたらしい。
繁殖力が強く、雑草になることもあるとも書かれていた。
まさに、探していたものであった。
前回の花と、今回の花を比較すると、前回の花は名の通り赤い茎をしているが、今回のものは緑である。
また葉にV字の模様があるのが特徴らしいが、今回のものでははっきりしない。
秋には紅葉すると書いてあったので、これからそうなるのだろうか。
花の集まりかたにも違いがある。前回のほうが小さな花の数がずっ多く、全体に丸みがある。
見比べれば比べるほど、ちょっと違うかなという気がしてくる。
現在、機械室の横の花はすっかり取り払われ、味気のないコンクリートがむき出しになっている。
がっかりしていたが、また同じような花に出会えて本当にうれしかった。
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