老後は京都で !

京都の町中(堺町六角)と東京(青山)を気ままに行き来する二地域居住を実践中。 

「河原町のジュリー」を描いた小説 ~ 「ジュリーの世界」

2022年09月07日 | 京都が舞台の文学

「「あいつはな、誰よりも悠然と歩くんや」

時代の大きな曲がり角となった70年代の京都に

「河原町のジュリー」

と呼ばれる有名なホームレスがいた。

無数の視線に晒されても

いつも目抜き通りの真ん中を歩き、

商店街の一等地で眠る男。

ガラス玉のような目で空を見上げる彼は、

いったい何者なのか。

なぜこの街にやってきたのか。

交番に赴任したばかりの新人巡査・木戸が

最初にその名を聞いたのは、

ひったくりにあったと

交番に駆け込んできた女性からだった。

彼女は自分のネックレスを

「河原町のジュリー」

がひったくっていったと言うのだが――。

京都国体の開催を機に、

街から「異物」が排除されようとしていく中で、

彼の伝説は生きていた。

かつてこの街で彼と人生を交錯させた人々は、

やがてその「真相」を知る。

人間の自由と尊厳を

昭和の時代と令和の現代に浮かび上がらせ、

人が「物語る」ことの意味を問うた感動作。

目 次

プロローグ
第一話 花の首飾り
第二話 坂の向こう
第三話 夜の猫たち
第四話 鳥の名前
第五話 熱い胸さわぎ
第六話 ジュリーと百恵
第七話 黒と白の季節
第八話 四十年後
第九話 真珠貝
第十話 再会
エピローグ

あとがき           」(内容)

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