小雨の中、作業所へ行くと
Sさんがもう包装を始めていました。
「電話があってね。今日の午後までに納品してほしいらしい。」
あとは包装を残すのみになっていたので、
私はすぐに包装に取り掛かりました。(聞いてないよ1)
包装ができるのは今のところ私とSさんだけです。
こんなことになりそうだと思って、金曜日に頑張っていたので、
お昼までには終わるかな?
と思っていました。
すると、休憩室から声が。
そうでした。
今週から月曜日だけ、自閉症のN君が利用するのでした。
N君はSさんが定年退職した作業所を利用していましたが、
私の居た当時から、機嫌が悪くなると、大声で叫び続けます。
健常者の大声とは違います。
男の野太い声で吠えるような感じです。
それが一時間でも二時間でも止まりません。
HSPの私には耐えられないもので、作業所を辞めるきっかけの一つでした。
そのN君、Sさんの言うことはかなり聞きます。
それで、Sさんが退職してからは、対応できない作業所では、
N君は作業所の駐車場に出されているのだそうです。
休みの水曜日に、それを見かけたSさんが、
月曜日だけ今の作業所に引き取るようにお母様に言ったそうです。
暴れはしませんが、その声を聞かせられる他の利用者の気持ちはどうなるのでしょう。
私は先週、それを知り、Sさんに、
「N君が来るなら、その日は早退します。」
と言いました。
意思表示しないとわかってもらえないからです。
私は自閉症の利用者さんは他でもたくさん一緒に作業してきました。
声を出す自閉症の人はよくいます。
しかし、それなりに親御さんが養育したり、
自閉症の施設に連れて行って訓練したりして、
作業ができるまでになっている人が作業所に来ていました。
しかし、N君のお母さんは、全くそういうことをせずに、
保育園に預けるような感じでN君を利用させて、
いくらかでも、工賃をもらって帰るから得した!みたいな感じなのです。
療育を受けず、凶暴な癇癪をだす、N君が、
一母親の私はある意味気の毒なのです。
今日はそのN君は癇癪を起しませんでしたから、
ホッとしました。
でも、いつ癇癪を出して大声を出すのかわかりませんから、
作業しながらも、気になります。
しかも、今日は見学の利用者さんが3組も見えて、
結局、包装は私がほとんどしてしまいました。(聞いてないよ2)
それも間に合わないからお昼ご飯の後、すぐに包装をして、
やっと時間に出かけることができました。
そして、納品と次の注文を持って帰るために、
Sさんと、職員で掛け持ちの男性Kさん、
置いていけないから、N君と私の四人で行きました。
すると、次の注文は約束では一週間後のはずだったのに、
「これくらいできるでしょ。」
と木曜日納品となりました。(聞いてないよ3)
水曜日はSさんはお休みです。
内職先の課長に、
私はつい、
「作業時間が前の作業所と違って6時間が4時間しかないので無理です。」
と言いました。
課長は
「大丈夫、Sさんが包装するさ」
と促しました。
帰ると、例のSさん大好きB子さんが来ていました。
切羽詰まっているのに、お菓子を食べていい?
とSさんに尋ねるB子さん。
そのお菓子は男性利用者さんが、頑張っている私とA子さんに向けて
「女子会の時に食べて」
と持ってきたものです。
「食べていいから、その後、ちょっとこの作業をしよう。」
初めてSさんが、
いつもB子さんがいる個室に入り、
製品の枠を折る作業を、させました。
食べていい!(聞いてないよ4)
べちゃくちゃB子さんが、Sさんに話をしている声が聞こえます。
私はムカムカしてきて、
個室に行き、Sさんに、
「木曜上がりということですが、Sさん、水曜日はどうするのですか?」
と尋ねました。
「休みだけど、出るから、心配しないで。」
Sさんがそういうと、
B子さんが、
「え!水曜日、Sさん!」
とSさんを見つめました。
あああああああああ!
休みの日にSさんが何していても私には関係ありませんが。
B子さんと居ようが、関係ありませんが。
聞いてないよーーーー!
その後、来たばかりのB子さんは帰っていきました。
作業がしたくなかったのか、
Sさんが水曜日お休みできないのが嫌だったのか。
ドラマティックな作業所の一日でした。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました❤