厳しい暑さも峠を越した頃とされる二十四節気のひとつ「処暑」を過ぎても、やっぱりまだ暑い京都市内。峠を越したつもりが、もうひとつ峠がそびえているのでしょうか。朝夕だけでも涼しい風が吹き、秋の虫の鳴き声が聞こえるようになってほしいなと思う今日この頃です。
さて、そのような京都でも、日盛りの暑さを物ともせず、高野川の河川敷ではコマツナギ(駒繋ぎ)が花を咲かせ続けています。
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本州から九州の日当たりの良い道端や草地、河原の土手に生育するマメ科コマツナギ属の落葉小低木です。和名は、根が太くて逞しく、茎も丈夫であるため馬を繋くことができるからという、人間にとって有用な植物を由来とする説の他に、葉が馬の好物なので馬がこの木から離れようとしない、つまりコマツナギが葉を餌にして馬を離さないよう繋ぎ止めておくことを由来とする説もあるようです。
両方の由来をひっくるめて、好物に繋ぎとめておいたら丸裸になってしまうのではと思いますが、馬は本当にコマツナギの葉を食べるのでしょうか。同じマメ科でも別属ですが、ヘアリーベッチ(ナヨクサフジ)は牛や馬の飼料としても使われるので、コマツナギも食べるのかもしれません。ただし、因果関係は解明されていないとのことですが、ヘアリーベッチの生葉や種子を牛や馬に与えると中毒症状を起こしたという報告もあるそうなので、お馬さんも食べるのなら「ほどほどに」がよいのかもしれません。
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また、近年は法面緑化などで導入された中国原産の近縁種であるトウコマツナギ(唐駒繋ぎ)があちこちで帰化している姿が見られるようです。あわせてコマツナギとの交雑も懸念されています。トウコマツナギの見た目はコマツナギとよく似ていて区別がつかないそうですが、トウコマツナギの樹高は2メートルを超えることもあり、コマツナギの2倍以上の高さになるようです。また花期もトウコマツナギは5月頃から咲き始めるのに対し、コマツナギは7月に入ってからという違いがあります。高野川の河川敷ではそれほど大きくならず花も7月に入ってから咲き始めるのでコマツナギだろうと一応の判断をしています。
さて、そのコマツナギより少し上流では、川べりにある木に絡みつきながら花盛りのセンニンソウ(仙人草)の姿が見られるようになりました。
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和製のクレマチスのひとつで、花後にできる痩果につく綿毛を仙人の髭に譬えたのが和名の由来です。下の写真は、3年前の2017年11月に撮影した痩果ですが、先端についているひも状のものがもう少しふんわりした状態になります。
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センニンソウの痩果(2017年11月、葵橋付近の加茂街道沿いで撮影)
このセンニンソウは全草に有毒成分があるため、先ほどのコマツナギと打って変わって馬も食わないことからウマクワズ(馬食わず)という別名があります。馬に関してだと他にウマノハオトシ(馬の歯落とし)やウマノハコボレ(馬歯欠)があり、牛の場合だとウシクワズ(牛食わず)とも呼ばれます。葉や茎を切ると乳白色の汁が出てきますが、これに触れるとかぶれて炎症を起こすこともあるので注意が必要です。
なお、有毒植物ではありますが、センニンソウの根や根茎を乾燥させたものは「和威霊仙」という生薬になるそうです。しかし、その利用例はわかっておらず、昔は民間療法として扁桃炎や神経痛の外用薬に手荒い使われ方をされたこともあるそうです。現在は漢方の生薬として日本では利用されておらず、近縁種のサキシマボタンヅル(先島牡丹蔓)の根を生薬「威霊仙」として慢性関節リウマチ等に処方されているようです。センニンソウも同じように使えたら便利なのでしょうが、ちょっと残念です。仙人を食う(利用する)のは、けしからんということでしょうか。ウマクワズだけでなくヒトクワズでもあるのかもしれません。
さて、そのような京都でも、日盛りの暑さを物ともせず、高野川の河川敷ではコマツナギ(駒繋ぎ)が花を咲かせ続けています。
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本州から九州の日当たりの良い道端や草地、河原の土手に生育するマメ科コマツナギ属の落葉小低木です。和名は、根が太くて逞しく、茎も丈夫であるため馬を繋くことができるからという、人間にとって有用な植物を由来とする説の他に、葉が馬の好物なので馬がこの木から離れようとしない、つまりコマツナギが葉を餌にして馬を離さないよう繋ぎ止めておくことを由来とする説もあるようです。
両方の由来をひっくるめて、好物に繋ぎとめておいたら丸裸になってしまうのではと思いますが、馬は本当にコマツナギの葉を食べるのでしょうか。同じマメ科でも別属ですが、ヘアリーベッチ(ナヨクサフジ)は牛や馬の飼料としても使われるので、コマツナギも食べるのかもしれません。ただし、因果関係は解明されていないとのことですが、ヘアリーベッチの生葉や種子を牛や馬に与えると中毒症状を起こしたという報告もあるそうなので、お馬さんも食べるのなら「ほどほどに」がよいのかもしれません。
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また、近年は法面緑化などで導入された中国原産の近縁種であるトウコマツナギ(唐駒繋ぎ)があちこちで帰化している姿が見られるようです。あわせてコマツナギとの交雑も懸念されています。トウコマツナギの見た目はコマツナギとよく似ていて区別がつかないそうですが、トウコマツナギの樹高は2メートルを超えることもあり、コマツナギの2倍以上の高さになるようです。また花期もトウコマツナギは5月頃から咲き始めるのに対し、コマツナギは7月に入ってからという違いがあります。高野川の河川敷ではそれほど大きくならず花も7月に入ってから咲き始めるのでコマツナギだろうと一応の判断をしています。
さて、そのコマツナギより少し上流では、川べりにある木に絡みつきながら花盛りのセンニンソウ(仙人草)の姿が見られるようになりました。
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和製のクレマチスのひとつで、花後にできる痩果につく綿毛を仙人の髭に譬えたのが和名の由来です。下の写真は、3年前の2017年11月に撮影した痩果ですが、先端についているひも状のものがもう少しふんわりした状態になります。
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センニンソウの痩果(2017年11月、葵橋付近の加茂街道沿いで撮影)
このセンニンソウは全草に有毒成分があるため、先ほどのコマツナギと打って変わって馬も食わないことからウマクワズ(馬食わず)という別名があります。馬に関してだと他にウマノハオトシ(馬の歯落とし)やウマノハコボレ(馬歯欠)があり、牛の場合だとウシクワズ(牛食わず)とも呼ばれます。葉や茎を切ると乳白色の汁が出てきますが、これに触れるとかぶれて炎症を起こすこともあるので注意が必要です。
なお、有毒植物ではありますが、センニンソウの根や根茎を乾燥させたものは「和威霊仙」という生薬になるそうです。しかし、その利用例はわかっておらず、昔は民間療法として扁桃炎や神経痛の外用薬に手荒い使われ方をされたこともあるそうです。現在は漢方の生薬として日本では利用されておらず、近縁種のサキシマボタンヅル(先島牡丹蔓)の根を生薬「威霊仙」として慢性関節リウマチ等に処方されているようです。センニンソウも同じように使えたら便利なのでしょうが、ちょっと残念です。仙人を食う(利用する)のは、けしからんということでしょうか。ウマクワズだけでなくヒトクワズでもあるのかもしれません。