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ジャン=フィリップ・ラモー(Jean-Philippe Rameau;1683-1764)の『クラヴサン曲集』第2巻(第3組曲ニ長調・ニ短調)から、
第6曲『ミューズたちの語らい』
続いて、
第8曲『サイクロプス』
Natacha Kudritskaya - L'Entretien des Muses, Rameau @ OCMF
もとのクリップには『ミューズたちの語らい』としか記載されていませんが、6:11からの早いパッセージの作品は、おなじ曲集の第8曲『サイクロプス』です。
ピアノは、ナターシャ・クドゥリツカヤさん。
クラヴサンのための作品ですが、ピアノの特性に合わせて現代ピアニズムの精華のような演奏をしています...とても見事...
ロマンティックな演奏ですが、精妙でよく歌っています。この人に独特の、ゆったりたっぷり呼吸するようなフレージングがとても美しい...
「クラヴサン (clavecin)」はフランス語の名称で、英語では「ハープシコード (harpsichord)」。ドイツ語では「チェンバロ(Cembalo)」、イタリア語では「クラヴィチェンバロ(clavicembalo)」です。
ピアノもチェンバロ(クラヴサン)も、ともに鍵盤楽器でかたちが似ていますから同じような楽器のように思われるかも知れませんが、ピアノはもともと「ピアノ・フォルテ」という名前の楽器で、それが縮まって「ピアノ」と呼ばれるようになったことからもわかるように、チェンバロとは異なり、音の強弱を精密に自在につけられることが売りだったわけです。反対に、チェンバロは濃やかな音量の強弱をつけることができません。
これは、鍵盤を叩いて演奏するところはおなじでも、鍵盤から弦に力を伝え、音を発するやり方が、ピアノではハンマーが叩くメカニズムであるのに対して、チェンバロでは「プレクトラム(plectrum)」という「爪(pick)」が弦を弾く構造になっていて、鍵盤から指を離すとダンパーが降りてきて弦の振動を抑えて止めます。
叩くメカニズムだと、叩き方の強弱で音量はかなり自在につけられますが、ピックで弾くやり方だと、濃やかな強弱は難しい。
その代わり、音量や音色を変えるために「レジスター」あるいは「ストップ」と呼ばれるメカニズムが仕組まれていて、複数の弦を同時に鳴らしたり鳴らさなかったりといったかたちで強弱のコントロールをつけています。それにしても、メカニカルなコントロールでつけられる強弱ですから、デリケートな強弱をハンマーを通じて行うピアノには、繊細さにおいてかないません。
チェンバロにはチェンバロの魅力がありますが、よく歌うためには、ピアノの精妙なタッチに軍配が上がるでしょう。もちろん、演奏家の技量でそこはかなりの幅が出てきますが...
ともあれ、とても良い演奏。
もう一つ、クドゥリツカヤさんの演奏で、
『クラヴサンのための新しい組曲』第6組曲『ガヴォットと6つのドゥーブル』
Rameau - Suite en la Gavotte et six Doubles / Natacha Kudritskaya
これも、格調高く良く歌うとても美しい演奏...
追記【2021/09/12】
ちなみに、この美しい作品、クラヴサン以外の楽器でもよく演奏されるようですが、それぞれの楽器の個性が生かされていてとても良いですね。
まずは、アコーディオン♪
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Gavotte et six doubles - Jean-Philippe Rameau (1683-1764)
from "Nouvelles Suites de Pièces de clavecin" (1728), suite en la Acc...
youtube#video
そして、木管アンサンブル♪
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Rameau: Gavotte With Six Doubles | Fresco Winds
Bryan Guarnuccio, Kip Franklin, Audrey Destito, Genevieve Beaulieu, Li...
youtube#video
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