興趣つきぬ日々

僅椒亭余白 (きんしょうてい よはく) の美酒・美味探訪 & 世相観察

おみ漬け (山形県)

2006-03-07 | 美酒・美味探訪
 青菜漬け(せいさいづけ)とともに、山形の冬を彩る野菜の漬物。
 青菜漬けは山形特産の青菜(せいさい)を漬けたもの。これが出ないと食卓に「精彩を欠く」と山形ではいっている。かどうかはわからないが、大変おいしい漬物だ。

 おみ漬けは青菜を中心に大根や人参、生姜、紫蘇の実などの野菜を細かくきざんで漬けたもの。青菜漬けが冬場を通して食べられるのに対して、おみ漬けが味わえるのは初冬に限られるとのこと。

 わたしは、青菜漬けも好きだが、おみ漬けの方により魅力を感じる。
 シャキシャキしっとりしていて、ジューシーで、漬物の風味が口いっぱいにひろがる。肉、魚料理の合間に食べると口がさっぱりするし、温かいご飯にぶっかけて食べても最高にうまい。

 これをわざわざ山形から取り寄せて贈ってくれたS氏は、添付した手紙のなかでこんなことを書いてよこした。
 青菜漬け、おみ漬けは、「めがら、け」「く」「めが?」「め」の世界でいただくものだという。
 つまり、「旨いから食え」「食う」「旨いか?」「旨い」ということである。

 子においしいものを食べさせたい母と、母の愛情をつぶらな瞳で受けとめている子の、相対する姿が目に浮かぶではないか。
 青菜漬け、おみ漬けは、ふるさとのなまり懐かしい世界でいただくものなのです。
2001.4.1

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