以上は山田彊一先生の作品展から
名古屋市郊外の長久手市に出かけ、僕が通う水彩画教室の講師・山田彊一先生(77)の展覧会と、アート界の次代を担う愛知県立芸術大学のキャンパスを歩いてきました。
3か月おきのスケッチ会の一環。こんなコースで絵にするところがあるだろうか?の気持ちもありましたが、学生たちの創作現場をナマで拝見し、彼らのこれからに期待と拍手を送りました。
長久手市文化の家では、この日(27日)まで開催されていた「山田彊一と『愛知のアート力』展」へ。山田先生の作品と、若いころからアート仲間でライバルでもあった作家たちの作品が並んでいました。
山田先生は20代から30代、50代・・・現在までの歩みを知る14点を展示。
これまでの作家生活の根底にある「日展など既存の公募団体には負けない」「ライバルたちにも負けまい」「己の人生観を表現する」といった思いで満ちています。
山田先生自身が企画、この秋にニューヨークで開催を予定している『妖怪』展に向けてレディ-・ガガやマリリンモンローを妖怪にした作品からも、そんな意気込みが伝わってきました。
愛知県立芸術大学(愛知芸大)で目にしたのは、わが国の文化遺産を守る使命感の成果です。
それを目の当たりにできるのが、キャンパス内にある法隆寺金堂壁画模写展示館。現在、春季展が開催されており、拝見してきました。
愛知芸大では、日本の貴重な文化を保存するのも芸大の使命である、という片岡珠子らの熱意で模写・復元事業に力を入れ、昭和49年(1974年)から法隆寺の金堂壁画の模写制作に着手しました。
16年もかけたという阿弥陀浄土図や薬師浄土図、釈迦浄土図、そして普賢菩薩象、観音菩薩像などの模写を成し遂げた作品が並んでいます。またこれらの事業で習得した技術を自身の創作活動として生かした伊藤若冲「雪中雄鶏図」なども展示されています。
このほか、高松塚古墳壁画や西大寺十二天像などの模写も手掛けています。
愛知芸大の卒展や名古屋城本丸御殿の襖絵などを見るたびに思うことですが、欧州に比べて遅れているといわれる模写・復元事業の取り組みの大切さを改めて知りました。
キャンパスを歩き、彫刻などに使う岩石や大木、作品の数々に出会い、制作に取り組む学生たちの姿を目にすることもできました。
学生たちに交じって学生食堂で昼食。「ああ、自分もこんなに輝く目をしていたのだ」と半世紀前を思い起こしもしました。
以下の写真は愛知県立芸術大学キャンパスから