2025年には、いわゆる“団塊の世代”が後期高齢者となり、2040年には、“団塊ジュニア世代”までもが高齢者に仲間入する。そのため、今後、医療や介護に係る担い手が減少することが大きな課題となっている。
その一方で、高齢者の“若返り”が見られ、高齢者の就業ニーズも(実際、就業率も)上昇している。
こうした現状を踏まえ、政府は、昨年10月22日、厚生労働大臣を本部長とする「2040年を展望した社会保障・働き方改革本部」を設置し、「国民誰もが、より長く元気に活躍できるよう、多様な就労・社会参加の環境整備や健康寿命の延伸を進めるともに、医療・福祉サービスの改革による生産性の向上を図りつつ、給付と負担の見直し等による社会保障の持続可能性の確保を進める」(同本部設置規程より)という方針を打ち出した。
具体的な施策は、
①健康寿命延伸TF(疾病予防・介護予防に関する施策等)、
②医療・福祉サービス改革TF(ロボット、AI、ICTの実用化等)、
③高齢者雇用TF(高齢者の雇用就業機会の確保等)、
④地域共生TF(縦割りを超えた地域における包括的な支援体制の整備等)
の4TF(タスクフォース)で検討される。
医療業界やAI業界などに影響するテーマが多い印象だが、すべての業種に関係しそうなのは、高齢者雇用の問題だろう。
奇しくも同じ10月22日の夕方に首相官邸で開催された「第20回未来投資会議」では、「70歳までの就業機会の確保を図り、高齢者の希望・特性に応じて、多様な選択肢を許容する方向で検討する」こととされ、席上、安倍首相は「2019年の夏に『実行計画』で具体的制度化の方針を決定したい」と述べている。
当然、この「改革本部」においても、それを睨んだ方向性が示されると思われる。
「2040年を展望した」と銘打ってはいるが、そう遠くないうちに「70歳までの継続雇用」が義務づけられる可能性があることを、企業経営者は承知しておかなければなるまい。
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