ネットの世界では「どうして巨人が四連敗したのか」とか、いまだに同じ話題でプロ野球ファンに見てもらおうとしているみたい。だけど、巨人云々はもう本当に古い話題です。若い人は、そういうチームがあるというのも知らないでしょうね。
私はオッサンですけど、全く日本シリーズは見ませんでした。どちらかというと、どうにかしてロッテがソフトバンクに勝ってくれないか、今までの対戦成績からすると、逆転は可能では？ と、少しだけ見たような気がします。でも、ソフトバンクは大事なところではしっかりと勝って、最後のところで突き放しました。
一つ一つの試合においても、ロッテはいいところまで迫っていたのに、終盤に突き放され、最後はきっちりと抑えられるという形になりました。見事な試合運びでした。
このソフトバンクを倒すために、来年以降もパリーグにおいては切磋琢磨は繰り返されるでしょう。力と力で立ち向かいつつ、微妙な駆け引きもちゃんと行うし、技術的な面でもいろんなところでパリーグの方が上のような気がします。具体的にはどうこう言えないんですけど。
巨人の菅野選手がアメリカデビューしたとしても、10勝はできない気がします。さらに微妙なコントロールと、速球に磨きをかけないと、簡単に切り捨てられるでしょう。
アメリカの球団も、そんなに飛びつかないのではないか、という気もするんです。さて、どうなるのかなあ。
セントラル・リーグって、切磋琢磨してこなかったんでしょうか。どちらかというと、巨人頼みで、巨人との試合で少し稼いで、あとはほどほどに、アンチ巨人のお客も取り入れて、どうにかリーグは成立という小さな宇宙でやってきました。
7月に行われるオールスターゲームでは負け続けても、日本シリーズでこれまたずっと負け続けても、リーグの野球の違いだからと、あまり取り合わず、自分たちの世界で満足していました。
それではいけないと、交流戦というシステムができましたが、これも縮小傾向で、球団経営としては交流戦は小さくする方向で、という経営の都合が優先されているようです。
野球の質を考えたいのに、それよりも経営・経済の方を優先して、中身はどうでもよくて、自分たちだけのルール・仕組みを優先させる。
あれ、これ、どこかで見たり聞いたりしてきたことですね。プロ野球の世界も、どこかで既視感を感じさせられてきたことが続いているようです。
私たちの社会って、そういうふうにできているのかもしれない。
だったら、パリーグもそうじゃないの？ そう思ったりしますけど、実はパリーグって、国際的・インターナショナルなリーグで、世界の風（アメリカの雰囲気）を日々吸い続けているところでした。
たくさんの選手がパリーグから出て行きますし、帰って来る人たちも、パリーグがベースですし、監督だって、ロッテの井口さん、楽天の石井さん、その他いろんなところにアメリカの風を受けてきた人たちがいます。
残念ながら、セリーグからアメリカに行ったとしても、成功したのは青木選手（ヤクルト）、黒田選手（広島）など、ほんの少しです。そして、黒田さんなんかはもう球界から遠ざかっている。セリーグは世界の風を感じさせる人をうまく生かし切れていないのです。
しばらくはパリーグ全盛が続くでしょう。セリーグは自分たちの世界で自足している限り発展はないのです。
巨人は相変わらずだし、阪神は関西ドップリだし、中日は名古屋ドップリだけど、ナゴヤドームができた頃は毎日四万人入ってたお客さんが、二万人に届かなかったり、中日は球団経営で苦しくなっている。広島は新球場もステキだし、地域密着している。ヤクルトはどうなんだろう。壁にぶつかっているかなあ。横浜は、経営陣が不安定で、地域球団になりきれていない気がします。
巨人が変わらないし、他球団は巨人頼みの相変らずの経営をしている限り、ずっとバリーグに負け続けるでしょう。何しろ、野球の質は、ほどほどで、何となく試合をやっていたら、それなりにお客さんがついてくるものと信じてやっているんだから。
もっと細かなところと、大胆なところと、世界に向けての目と、人との交流をしていかないかぎり、無理だろうな。経営のワクの中に小さく収まっているでしょう。選手たちもリーグの中で生きることを考えてしまうもんな。
★ あれ、表紙のマイク・スタントン投手、BravesからYankeesへ、さらに別の球団へと渡り歩いたサウスポーですけど、高く上げる右足から強引に持ってくるストレート、もうワクワクしてみてました。Yankeesでワールドチャンピオンになったそうで、Bravesではなれなかったのか。野球って、ワクワクさせてくれなきゃね！ 私は91年からずっとBravesのファンだったんですけど、久しぶりにワクワクしました。Dodgersには勝ちたかったなあ。
