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夏、お盆の前になると、岩手の奥さんの実家に行っていました。コロナのシーズン(2020~2022くらい)と震災の直後(2011~2012)以外は行っていたような気がするけど、そんなに毎年というのでもなかったかもしれません。
とりあえず去年は、新幹線で行き、泊まるところが予約取り消しをされていて、仕方なく(私のワガママで?)ひとりで青森のねぶたを見に行き、初めてねぶたを見ることができて、幸せでした。
今年は、行かないのかなと思っていたら、山形の妹さんが忙しすぎてスケジュールが合わないから行かない、と決定したそうです。私は、いつゴーサインが出るのかと思っていて、秋田の竿灯まつり、弘前のねぷた、それぞれ見てみたいななんて思っていましたけど、それもなくなりましたか。
もう40年ほど前、同僚の方がご夫婦で東北温泉めぐりをしたというのを聞かせてもらって、そんな旅もあるのか、なんて思ったものでしたが、そんな夫婦の旅に憧れてみたものの、私んちではそんなことはできていませんでした。
あれこれ誘ってみますが、私の言い方が悪いからなのか、長旅はしんどくなるからなのか、東北へ二人で出かけるということはありませんでした。
一度、新潟に泊まって、そこから会津を通って東北自動車道を北上したことはありましたけど、あの時はものすごい混雑で、たぶん、お盆シーズンだったからか、こりごりになって、帰りは仙台からフェリーで帰ってきた、という旅もありました。2009年だったでしょうか。
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そんなこともありました。昔話で喜んでちゃダメですから、今につながる話を書きます。
象潟は芭蕉さんの憧れの土地でした。平泉をピークにして岩手県から山形県に移動して、最上川を下って酒田に来てみた。そして、そこから20キロくらい北の(もう少しあるでしょうか?)象潟に行き、そこの多島海美を味わったというのです。
松島も同じようなものだけれど、島がメインで、山はどこにも見えません。島そのものが山みたいな感じ。
象潟は、土地全体が隆起してしまって、今は一面の田んぼになっていて、そこにポツン、ポツンと島だったところが残されている、みたいな形になっています。ですから、歩いて島(だったところを)めぐりができます。それはそれで楽しいけれど、これが海だったら、船を浮かべて島めぐりをするというのも楽しかったかもしれません。
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(たぶん、毛越寺のハスです!)
同じ2019年の夏、岩手の平泉町にある毛越寺(ここも奥州藤原氏のお寺だったところです)の庭にあるいくつもの池をめぐるだけでも極楽を感じられるんだから、入江の中のたくさんの島々を見たり、歩いたり、船に乗ったりできたら、しあわせになれそうです。
何でなのかなあ。箱庭的なうれしさでしょうか。空間そのものの不思議さなんでしょうか。静かな入り江に舟を浮かべるということがしあわせなんでしょうか。芭蕉さんも舟に乗せてもらって、静かな入り江で穏やかな時間が過ごせて、ゆったりした気分になれたと思います。
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2019年の8月初め、日本海を北上して酒田に来ました。土門拳さんの美術館を見たりして、酒田の友人に出会い、彼女の案内で象潟に行かせてもらった。
三重県ではもう終わっていたネムの花が、象潟の蟹満寺あたりには咲いていて、西施像も写真で撮ったはずですが、どこにあるのかわかりません。
帰りに、トビウオラーメンを汗だくで食べ、やはり日本海側の夏はなかなか厳しいと感じたものでした。
芭蕉さんにはなれなくて、トビウオになっただけだった。あまりに暑かったのです。
1・汗だくのトビウオラーメン道の駅
2・友だちのバイリンガルとネムの花
(彼女の酒田弁を聞かせてもらって、何だか地元で生きてる感じを味わいました。すごいなと感心したのに、すぐ彼女は切り替えてしまった。酒田弁をほんの少ししか聞かせてもらえなくて、残念だった思い出がありますね。地元の言葉はトーンが低くて、標準語は少しトーンが高いかも……)
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