ボクがいいなあと思うテレビのタレントさん(女性)は、ちやほやされる時期はとても短くて、売れなくなったら、すぐに転落して行ったり、とんでもない男につかまったり、危ない道に進んで行ったり、見ていてホッとする人はあまりいませんでした。いつも転落するのを悲しい気持ちで見ることが多かった。
ボクがいいなあと思ってた人で、はすっぱな道に行かなかった人といったら、菊池桃子ちゃんくらいでしょうか。でも、彼女はあまりに立派になりすぎて、こんな計算高い人だったのだろうかと、桃子ちゃんも信じられなくなりました。あんなに立派になるくらいなら、はすっぱな方に進んでくれた方がホッとするけど、まあ、人の人生だから、他人がとやかく言うものではないですね。彼女には彼女の道があるんです、
ボクは、友人のカワイ子ちゃん好きのことを心配しています。彼は、昔から、目のクリッとした、少しポッチャリしたタイプの子が好きでした。彼はわりと外見中心主義で、あまりその人の内面とか、一緒にいて楽しいとか、こんな話をしたとか、彼からそういうことを聞いたことはありませんでした。
彼は、ずっと片思いするのが好きな人だったのかもしれない。
パッと見て、好きになって、そうしたら、いろんな機会を見つけて、その子のところに出没して、言葉を交わす機会を期待するのです。自分から話しかけることはなくて、恥ずかしそうに花束を手渡したり、不二家のケーキをプレゼントするのでした。
相手の人はビックリです。何だか、親しそうにはしているけれど、自分としては仕事でお客さんに対応しているのであって、決して好意を示したわけでもないし、そんなことを言った覚えもない。それなのに、このお客と来たら、突然の無言の猛アタックで、もうことばを失うしかありませんでした、たぶん、そんな感じ。
言われるまでもなく、ものには順序があるのです。それは彼も知ってはいるのです。でも、その順序を踏んでいられないし、順序を踏もうと思っても、そんなまどろっこしいことはしたくないし、単純に「好き」「キライ」で決めてもらいたいのでしょう。
それを決めるには、長い準備期間が必要だし、もう少し一緒にあれこれ話し合わないと、相手の人も面食らうだけなのです。たぶん、そんなことも彼と話し合ったりしたような気もするんですけど、いざとなると、彼はそんな手順なんて踏まないのでした。
だから、突然の彼の猛然とした無言のアタックは、激しい拒否にあいます。「もう二度とこんなことをしないでください」とか、「こんなことをされたら困ります」と宣言されます。そして、彼の淡い恋はブチッと終わってしまうのです。
何十年そんなことを繰り返してきたんだろう。オッチャンになった今も、そういう子を見つけて、恋心を抱き、相手が遠ざかっていくと、自然と気持ちもしぼんでいくみたいです。
そんな恋をいつまでするというんだろう。彼は自由なんだから、もう少し、堅実に、身のまわりの人で、一緒に話をして楽しいとか、どういうわけか、気が合うかもしれないぞ、という人は見つけられなかったんだろうか。
そんな、ないものねだりしても仕方ないのかな。秋には、彼に会うと思います。そしたら、もう少し、身のまわりの人で、そういう人がいないのかどうか、訊いてみたいです。そして、今度こそ、一緒にいてくれる人と、暮らせたらいいのになと思うのです。
ボクは? ボクはもう、まじめにコツコツ働いて、自分のやりたいことを見つけて、どうせ大したことはできないから、少しでもまわりの人をおもしろ、おかしく過ごせるように私なりの努力をするだけです。家族も大事にしますけど、もっとたくさんの人がおもしろ、おかしくなればいいんだけど。
なかなか思うようにはいきませんけど……。酔っぱらいの寝言ですね。
★ ボクは、奥さんという大きな存在があるから、そこにふんぞり返っているだけなのだという気もします。きっと、そうなんです。