水族館のペンギンたちは手持ちぶさたでもあるんだろう。あれこれ考えてはいると思うんだけど、あまり考えないように努力もしているような感じ。
仲間たちのことはずっと考えている。みんな今、どんな状況にあるのか、何を考えているのか、いつも顔を突き合わせる仲間だから、それなりにコミュニケーションはとっているはず。
けれども、ずっと閉鎖的な環境で、ただゴハンを食べるだけの存在なので、たまには芸でもしたり、気晴らしも必要なんだけど、なかなかそれもできないし、水族館にもスタッフにゆとりがなかったりするのかもしれないな。
ここで生まれた子どもたちは、故郷の海も知らないで、狭い空間がすべてで生きているんだろう。それは何だか申し訳ない。人間様がペンギンたちを見たいなんて言うから、立ちすくむしかないのかもしれない。
せめて、安楽で楽しい時間が過ごせますように! おいしいものが食べられますように! 新しい出会いが生まれますように! 何か気晴らしが見つかりますように! 祈らずにはいられないです。