今日、あわてて紫式部集を取り出して、拾い読みしました。
九州の歌があるかなと探してみました。今週末で終わってしまう大河ドラマの「光る君へ」のまひろさんが大宰府まで出かけて、そこで心通わせた周明さんと再会し、松浦も訪ねてみたい、さわさんの亡くなった土地を見てみたいなんて言っていたし、何だか九州の歌があるのかなと思ったんでしたね。そんなに簡単に見つかるわけがないのに!
まひろさんの生まれた年というのは、970年、973年、978年と少し幅があって、刀伊の入寇は1019年だったので、50から40くらいの中年の女性ということになってたんでしょうか。
いや、そもそもドラマみたいに、まひろさんが九州に出かけたというのは、ドラマの虚構なのかもしれません。そう、今日の拾い読みの中では、紫式部さんは、ドラマではロバート秋山さん演ずる藤原実資の『小右記』では、1014年あたりで亡くなったのかもしれない、とも書いてありました。
そうかもしれないし、そうではないかもしれない。道長さんは、1027年に亡くなるから、二人の接点はどうだっのか、ドラマはあまりに作られすぎで、二人はずっと若い時からのつながりを守り続けた、心の友みたいに描かれていましたね。
もう、そんなのはどうでもいいし、史実はどうあろうとも、私は何だか紫式部さんの声を聞きたかったみたいです。だから、彼女の歌集を広げてみたわけですね。ああ、何たるヒマ人なんだろう。
ひとつだけ、九州をイメージした歌が見つかリました。
いづかたの雲路(くもじ)と聞かば尋ねまし つらはなれたる雁(かり)がゆくへを
という歌です。
どちらの雲路だったと聞きましたら、私は探しに行きましょう。親子の列から離れて行ったあの雁の行方を。
ご家族みんなで九州に赴任して、たまたまそこで亡くなってしまい、任期が過ぎて都へ帰ってみたら、彼女一人が向こうで亡くなってしまったという、信じられないお話を聞かされたんですね。もう二度と会えない友だちの姿を探している歌でした。
もう少し紫式部さんの九州の歌を探してみます。