甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

夕暮れの三景

2018年07月17日 18時15分08秒 | 空を見上げて

 ムクゲはピークです。ネムの花はたいてい終わってしまったけれど、ムクゲは元気。近所にサルスベリの木がないから見られないけど、百日紅だって咲いてますね、きっと!

 夏は怒涛のように押し寄せています。

 夕暮れに、それらの花を見たら、

「お疲れ様。今日も一日終わったね。もうすぐ夜だね。」

 そう言ってもらっている感じです。だから私は、

「ちょいと、写真を撮らせてくださいね。夕日に照らされてるキミはなんとも言えない、浮遊感があるよ。残照いっぱい浴びてる。この瞬間がすべて、みたいな感じだよ。」

 みたいにおだてて写真を撮るのでした。

 木槿さんは、私の気持ちなんかお見通しで、

「せいぜい撮りなさい。へたくそなあなたに付き合ってあげますよ。」

 そういう感じかな。



 電車を撮るために、たまたま鳥居のところにおりました。夕日に照らされて鳥居はしんどそうでした。

「何やってるの? 電車が来るまで待っているのかい。のんきなことだね。」

「はい、コツコツと同じような写真を撮っているんです。スミマセン!」

「好きなものがあるのはいいことさ。せいぜい頑張りなさい。ただし、鳥居の中に電車を入れる構図はダメだよ。電車は神様ではないからね。」

「はい、そうします。でも、夕日は入れてもいいですか? 逆光でシルエットがいいかなと思ったんですけど……」

「たいしたものは撮れないと思うけど、キミがやりたいならやりなさい。やりたくなかったら、もちろんやめなさい。すべてキミの判断でやりなさい。私たちはやめさせはしない。ただそれぞれの限界を見ているだけなんだよ。」

「はい、わかりました。へたくそですけど、撮ります! はい、バシャ」



 夕暮れに、穴から出てきて、羽を伸ばしているセミを見つけました。風が吹いてユラユラしていますが、全く無言のまま、じっとぶらさがっていました。

 彼には、ただやみくもにカメラを向けました。セミはピントが合わないようにユラユラしたり、目を怒らせたりしていたけれど、何枚か撮らせてもらった。

 かくして私は、蚊にたくさん食われたけれど、セミのこの世に出てきた姿を撮らせてもらいました。羽が緑だなんて、少し感動的でした。

 


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