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「少女を埋める」桜庭一樹 ネタバレ

2023-11-01 | 小説・漫画他
自伝的小説「少女を埋める」と、発表後の激動の日々を描いた続篇「キメラ」、書き下ろし「夏の終わり」の3篇を収録

お友達からこの本の事を今年の春ごろ聞いて読んでみようと思っていて、リクエストしていたのですがやっと読めました。
ふと気がついてみれば、桜庭さんの本を読むのは久しぶりでした。

まず表題作は小説といえども、ほぼ実話ですよね? ご本人=冬子
興味深く読ませてもらいました。
引き込まれて一気読みでした。
お父さんがルックスが良くて温厚で良い方で、大好きだったというのは解りました。
コロナ禍の面会や帰省や葬儀など大変だった様でした。

私も去年父を見送ったので、その過程や葬儀の流れ等、色々思い出しながら読ませてもらいました。

冬子がお母さんとの確執があって、7年も実家に帰ってないし、連絡もあまり取ってない(それ以前は週に一回は長文の手紙が届いていたそうだ)
お母さんの思考回路とか態度や発言は、これはキツイな・・・というのは確かにありました。

鳥取に限らず、田舎の人間関係や、優秀な子がそこから出て行って都会に暮らし、親と疎遠に・・・というのもあるある、です。

母親がかつて彼女に暴力をふるったりしていた、とハッキリ表現されています。具体的な描写は無いけれど。
それと夫とは別の謎の男性と冬子と別の家族を作りたがっていたのではないか・・・?みたな処もあって・・・。

こんなの存命中のお母さんがいるのに書いちゃって大丈夫なのかな?と心配になったのだけれど、、

その後、とある翻訳家の女性が朝日新聞でこの本について書評をしたところ、「母が父を虐待していた」というあらすじ部分について桜庭さんがこれは違う!と立腹、母が故郷で肩身の狭い思いをしてしまうかもしれない!と、訂正してもらえるように動くが・・・という騒動が起きたそうで・・・。

そのやり取りをネットでも見ました。
確かにその書評のあらすじは、ちょっと違うかな?と感じました。
「かか」についても書かれていて、そちらも同様・・・。
桜庭さんの気持ちも解るし、言い争いの部分、確かにそうだと思う処もあります。

ただね、この朝日の書評やら騒動さておき、母に暴力振るわれていた等って書いちゃってるのは大丈夫なのかな?故郷の人達に読まれても平気なのか? (こういうのは2人の論争とは別筋というのも解ってますが)

まあ、がんばって女性一人が作家として生きて行くのは大変だろうし、ここまで一流の小説家になる・続けているのも計り知れない努力の賜物なんだと思うし、応援したいけれども。

あまり関係ないけど、優雅な暮らしをしていらっしゃるなあー。(ウーバーで色々美味しそうな食事を頼んでいたり) 優しくて配慮してくれるとても良いお友達が沢山いていいなーと思いました。

桜庭さんの本では「赤朽葉家の伝説」が特に面白かったです。
「ファミリーポートレイト」「製鉄天使」「バラバラ死体の夜」等読んだみたいなのですが感想を残してなかったので、もう忘れてしまって・・・
やっぱりちょっとでも残しておかないとイカンなあ・・・。
まだ50代、これからも桜庭さんが面白い小説を出してく
れますように!

桜庭一樹 少女を埋める 2022/1/25
あらすじ 2021年2月、7年ぶりに声を聞く母からの電話で父の危篤を知らされた小説家の「わたし」は、最期を看取るために、コロナ禍の鳥取に帰省する。なぜ、わたしの家族は解体したのだろうか?――長年のわだかまりを抱えながら母を支えて父を弔う日々を通じて、わたしは母と父のあいだに確実にあった愛情に初めて気づく。しかし、故郷には長くは留まれない。そう、ここは「りこうに生まれてしまった」少女にとっては、複雑で難しい、因習的な不文律に縛られた土地だ。何度埋められても、理屈と正論を命綱になんとかして穴から這い上がった少女は東京に逃れ、そこで小説家になったのだ――。

桜庭一樹 「青年のための読書クラブ」「道徳という名の少年」「赤朽葉家の伝説」凄く面白かったです☆「私の男」苦手でした・・・と、表紙の絵「マルレーネ・デュマス」 「推定少女」「砂糖菓子の弾丸は打ちぬけない」感想
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10 コメント

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Unknown (わぐま)
2023-11-01 14:13:27
こんにちは^^
あ~なんか、騒動がありましたね。詳しくは知らないんだけど、なにかあったのは覚えてます。
母娘関係か・・・。これって両方の話を聞いてみたいですよね。
7年、実家に帰ってなかった?
私なんて去年、14?15年ぶりに帰ったよ(笑) それも父親が死にそうだから帰って来いと言われ、しぶしぶ帰った。死にそうだった父はまだ生きてます。って、これはまた別の話でしたね^^
桜庭さん、多分1冊くらいしか読んでないのよね~~~。ほぼ未知の作家さんです。
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Unknown (苗坊)
2023-11-01 20:33:45
こんばんは。
私は当時その騒動を全く知らなかったので、この作品を読んで驚きました。
知って改めて当事者のツイートを見ましたが、書評をするのは自由だけど、さもそれが真実かのように語るのはどうかなと思いました。
難しい問題ですね。
自分も気を付けなければと思いました。
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Unknown (水無月・R)
2023-11-01 21:43:55
latifaさん、こんばんは(^^)。
騒動のきっかけとなった書評は読んでいたものの、そのことはすっかり忘れて作品を読み始め、あとから思い出したという、残念な私。
とはいえ、なんとも胃の重くなるような作品でした。
地方の閉塞感、桜庭さんと家族の確執、意図的ではないかと思える悪意のある書評、それを苦しい思いをしながらも立ち向かっていった桜庭さんの強さには、頭が下がる思いですね。

https://aosyo6.seesaa.net/article/498979081.html
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わぐまさん☆ (latifa)
2023-11-02 07:35:07
わぐまさん、こんにちは
コメントありがとうございます。

そうですねー。娘からの視点でだけじゃなくて、母側からのも両方見れる作品って、良いですね!
片方側だけからの小説や映画しか見た事ない気がする。

あら!そうなのね、電話やラインとかでは、たまに連絡取っていたのかな・・・。
その家族ごとに、こういう頻度とかって違いますよね。
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苗坊さん☆ (latifa)
2023-11-02 07:38:16
苗坊さん、こんにちは!
コメントありがとうございます。

ほんとにね、私も小説とか映画とかの感想等書いて、こういう風に公にさらしている人間の一人なので、色々考えさせられました。
安易な気持ちで書いちゃいけないな、、って。
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水無月・Rさん☆ (latifa)
2023-11-02 07:43:34
水無月・Rさん、こんにちは!
コメントありがとうございます。

ほんとにね、、私も胃が痛くなる内容で読みながら辛かったです。
全て読んだ後、読み直してチェックしたい処が幾つかあったのですが、その気力も湧いて来ず・・・。

桜庭さん、凄い決意で立ち向かう事にされ、体調も悪くなって・・・。

でも相手の女性も凄くしんどかったでしょうね・・。
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Unknown (べる)
2023-11-06 21:36:24
桜庭さんは、やっぱり初期の頃の作品が好き
でしたね。最近の作品も悪くはないのだけど。
少し、昔の勢いがなくなっているのかなぁと感じる
ところもあります。
『赤朽葉家~』は本当に面白かったですね。いろいろ、
思い入れのある作品です。
母親に関する描写は確かに問題ありそうな箇所がいくつも
ありましたね。自伝的小説って微妙な言い回しですよね。
予め、事実と違う描写もあります、みたいな注意書きを
したらまた違ったかもしれませんね。あくまでも小説です、
みたいな?
書評家がどんなことを書こうとその人の自由だとは
思うのですが、明らかに作者の意図と違ったことを
書くのはやっぱり違うんじゃないかなと思いますね。
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べるさん☆ (latifa)
2023-11-07 15:47:53
べるさん、こんにちは!
コメントありがとうございます。

私は桜庭さんの本を読んだのは遅くて、既にラノベ等で人気のある作家さんでした。
べるさんは初期からご存知で、ずっと長い事彼女の本を読んで来ているのね・・・。
やっぱり若い時、書きたいものが一杯ある時と現在の50歳を超え、安定期に入られた時では勢いという点ではやっぱり衰えて感じてしまうのはしょうがないのかもしれませんが、ちょっと淋しいですね。

>予め、注意書きをしたらまた違ったかもしれませんね。あくまでも小説です、
みたいな?

あ、それ良いですね。
そういうのがあったら、こういう事にはならなかったでしょうね。

桜庭さんも、相手の方も、かなり精神的に参ってしまったでしょうね・・・。
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読んでみたいです (真紅)
2023-11-10 15:52:11
latifaさん、こんにちは。
この本、すごく興味深い。。で、そんな騒動があったとは知らなかったです。
その翻訳家の人って、メディアに登場することも多くてフェミニストとして活動されているよね。
だから、そんなことになっていたとはビックリよ(もちろん、もう過ぎたことなんだろうけど)
あと、latifaさんお父様亡くされていたのですね。全然知らなかった。。
コロナ禍だったからいろいろ大変だったことと思います。
遅くなったけど、お父様のご冥福をお祈りします。
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真紅さん☆ (latifa)
2023-11-11 07:39:01
真紅さん、こんにちは!
コメントありがとうございました。

真紅さんはその翻訳家さんのことご存知だったのね。
この騒動は私もリアルタイムには全然知らなくて、後から知ったのよ。

この本の中の2.3章目は桜庭さん目線で書かれているわけで、翻訳家さん側から書いたら、また違うのかもしれないけどね・・・

父の事、お心遣いありがとうね。
ガンだったから心づもりや準備も出来たけれど、やっぱり大変だったよー。

私一人で通院から何から病院関係や、亡くなった後の葬儀関係やら手続き等、そして母のケア(これが1,2番にキツかったし現在進行形)、まいったわー。
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