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中国という国とは一体?〜偉大なる超大陸と超曖昧な多民族国家の中で揺れ動く、中国の実像とは?〜

2019年11月27日 03時16分19秒 | アジア系

 数年前まで殆ど顧みられる事がなかった、中国当局による少数民族ウイグル人への弾圧が、今、米英を筆頭に世界中から非難の声が高まってる。
 100万のウイグル人が強制収容所に収められてるという事実は、私にも衝撃が走った。
 極論を言えば、21世紀の今、世界第2の経済大国において、ヒトラー時代のドイツやスターリン時代のソ連と同じ事が起きているという事になる。

 そこで今日は、私達日本人が知ってる様で知らない、今や超大国となりアジアの頂点に君臨する中国のお話です。

 

中国人は蛮族なのか?

 古い日本人には、”中国人は蛮族?”という認識がある。私のお袋も中国を”支那”と言って露骨に見下していた。
 それは戦前の日本の教育にあったのか?それとも本当に中国は、支那人という蛮族なのか?それとも単なる差別か?中国人の90%が無宗教&無神論という事実がそうさせてるのか?

 そういう私も、”名前が支那人みたい”とよく虐められた。何故?中国を”支那”と言ってバカにするのか?全く理解できなかった。

 しかし一方で、中華料理、水墨画、漢方薬などの世界に誇る素晴らしい文化や、秦や唐や清という地球の半分を支配する程の、スケールのデカすぎる長い歴史を持っている事への畏敬の念もあります。
 でも中国には様々な民族が混在し、教養のある民族から蛮族まで存在する”超多民族国家”なのだ。


 一方日本という国は、北は北海道から南は沖縄まで、ある一定のレベルの教育が均一に普及する、ほぼ単一民族と言える島国だ。故に、北海道の人間も山梨県の人も、高知県の人も宮崎県の人も”日本人”という括りで、全ての価値観や本質や概念が共有できる。

 中国大陸は日本の国土面積の26倍、人口は約14億、戸籍不明者だけでも日本の総人口数を超える。認定少数民族は56を数えるが、実際に民族を、言語別&風俗習慣別に細分化すれば、1000近くの民族に分けられる。

 ”ケッペンの気候区分”(植生に着目された気候分布で、気温と降水量の2変数から気候区分を決定する)の気候の種類の殆どが、中国大陸1つに存在し、そんな環境に14憶人の1000の民族が集結する「超多民族大陸国家」なんですね。

 

超大陸中国の実像とは?
 
 ですから、中国大陸を”中国人は・・・だ”という”一括”で表現する事は出来ないし、”支那”と一言で蔑視する事も出来ない。

 そしてまず私達は、この超大陸中国と日本の国情の違いを明確に認識する必要がある。

 中国大陸は、数千年の歴史の中で、料理•水墨画•孔子•医食同源の確立や、漢方薬に火薬•羅針盤•紙•活版印刷など、世界の文明をリードする発明がなされた。
 それは”中国人”というより、中国大陸の中に偶々そんな偉才が出て、一部の文化として育まれたといえる。
 もしそれが内陸部であれば、北京の人間とは言語的にもコミュニケが取れない訳で、それにこの超大陸を一国として統治するの事自体、無理がある。


 現に、最後の皇帝(清)が倒れ、中華民国となった1900年代初頭には、逆に中国大陸から多くの人間が日本に留学しました。魯迅や孫文は有名ですね。
 その時、”あなた達は一人一人言葉が違うが、同じ中国人じゃないのか?”と日本人に聞かれ、中国の留学生たちは”はて私たちは何人?”と悩んだという。全く笑うに笑えないエピソードだ。

 つまり、中国の超大陸には”国”という概念が全くなかった。しかし日本人には、中国と言えば”三国志”で有名な、いろんな国が乱立しては滅んでいった歴史があるが。実際は、統一国家という意識がなかった。
 王朝で言えば、元や明や清という王朝があったが、実際にあの大陸を”国”として統一をしてたかは、全くの疑問ではある。

 

3000年の悲しい歴史と文化大革命

 そういった様々な権力や民族や局地的分裂が結局、列強による100年の侵略を許し、終いには日本の様な島国にも侵略された。
 そんな貧乏で惨めで分裂した大陸にて、やっと統一できた国家が「中華人民共和国」という事であったのだ。
 つまり、3000年の歴史もその大半が、悲しくも残酷な歴史だったんですね。

 だから中国政府は、領土や民族統一に異常なまで執念を燃やす。
 そして毛沢東の唯一の失策?が、”古きを捨て、新しきをも排除する”つまり、”封建主義と資本主義を批判し、新しく社会主義を創生しよう”というスローガンの元で始めた「文化大革命」がある。

 要は中国大陸の完全統一を実現する為に、それまでの古いものを全部捨て、西側や新しい文化も全部排除し、”マルクス•レーニン主義を基軸にした新しい社会主義を建設しよう”という大雑把?な事をやってしまったんですな。


 お陰で、中国大陸の伝統文化は殆ど捨てられた訳ですが。この10年にも及ぶ大失策という名の革命の結果、1000万人が犠牲になり、結果として、退行的な”農本的主義”へと押し戻した。エリート教育を完全否定したが故に、西側諸国の文化的成熟度から後退し、長期にわたる劣勢を強いられた。”バカ程出世する、その4”も参考です。

 以上の様な背景で、中国では日本の様に、ある程度均一レベルの教育が全土に均等普及するという事は、”文化大革命”を持ってしても不可能だったのだ。

 

中国の義務教育の歴史

 事実、中国で義務教育が始まったのが1986年。それが完全統一義務化になったのが、何と2006年です。ここで笑っちゃいけませんな(笑)。
 という事は少し大袈裟ですが、現在41歳以上の人たちは、義務教育という名の均等なレベルの教育を受けていない事になる。オイオイ大丈夫か?中華人民共和国。

 そんなまともな教育を受けてもいない、彼らの中から共産党の指導者が選ばれ、その子供たちの中から、愛国デモを超えた破壊テロに参加する人間が出ているという現実とパラドックス。まさに”バカほど出世する”を地で行く様な歴史と真相ですな。

 それに今の反日は、そんな教育を受けてないバカが中心になって起こしたものか?仮に受けてたとしてもまだまだ年数が浅い。それでいて、中華思想だけは立派なんですよね。アララ、困ったもんですな。


 この超バカ?多民族が、やっと義務教育を受け、そして市場主義の恩恵を受け、民度が高揚し、中国的民主化が行われ、国際社会に調和するになる迄に、一体どの位掛かるのか?
 中華人民共和国成立100周年の2050年までに進歩があればとの声もあるが、その時は中国バブルも完全に崩壊し、共産党もどうなってる事やら。

 こういう話を聞く度に、”China as No.1”は、”絵に描いた書いた餅”なのかなって。”China as Dystopia”も同時に参照です。


 結局私たちは、中国の事を知ってる様で全く知らない。私達は、中国の偉大さと広大さとアホさを全く理解できていない。同じ様に、中国人も中国人と中国大陸の事を知ってる様で全く知らない。

 これから中国人には教育が浸透し始め、知能が成熟し、本当の意味で自らの慢性化した負の歴史と、諸外国の高度?な歴史を知る事になるだろう。

 その時、中国には本当の意味での「文化大革命」が起きるのか。その時中国人は、日本の事をどう思うだろうか?やはり、”小国日本”とバカにするのだろうか?

 

”チャイナハラスメント”の実態とは

 ここまで散々中国をバカにしてきたが、その中国から今の日本は虐められ続けている。

 「チャイナハラスメント〜中国にむしられる日本企業」(写真)は、中国人ビジネスマンの頭の中と共産党の思考回路を徹底解説したビジネス本である。
 ”詐欺的な契約、デタラメな規制、利用される反日日本企業いじめはここまでひどい!”

 世界シェアトップのトヨタの販売台数が、なぜ中国ではGMの1/3なのか?そこには”チャイナハラスメント”とでも呼ぶべき巧妙な嫌がらせが存在する。中国では、日本の自動車メーカーにだけ”車台をつくる会社とエンジンをつくる会社は別々の合弁にする”という規制が施されてきたからだ。

 しかし、中国という大市場へのアクセスを望んだ日本企業は、1990年代以降に”反日”を強めた共産党にとって格好の”いじめの標的”となり、欧米メーカーとは異なる対応に、ずっと悩まされてきた。
 つまり、”大きな市場が待っている””人件費が安い”といった理由で進出した多くの日本企業の期待は、大きく裏切られてきたのだ。


 ”日本人と中国人はあまりにも違った人たちであり、もし関わろうとするならば相当な覚悟を持って臨むべきである。その覚悟がないのならば中国とは関わるべきではない。
 その上、中国人ビジネスマンは2つの倫理観を持つ。一つは自分が所属する内組織のなかでの仲間内の倫理で、人を騙してはいけないとか、約束を守るといった、我々日本人とと同じ倫理です。
 もう一つは、外部の人間ならナンボ騙しても裏切ってもいいというよそ者の論理。客もその外部の人間と見なされるから、騙そうとする。一方で客も騙されまいと必死だ”と著者は警告する。

 中華系のサポートを見るとよく理解できますね。故障しても返品にすら応じない。


 大陸的気質と言えばそれまでだが、共産党一党支配の元、様々な不正行為がまかり通ってきた負の歴史を見れば一目瞭然だ。
 ”騙されるほうが悪い”という中国の論理(アメリカも同じ)は、性善説的な商取引を理想とする日本人にとって、ストレスがかかる。

 とにかく中国人は謝らない。アメリカと同じで謝ったら最後、全てに責任をとらされる。ウエイトレスがコーヒーを溢しても、溢された客のせいにする。アララのラですな。

 彼らが悪人や蛮人というより、結果を出さないとすぐに捨てられるという、単直で大陸農耕的な悪しき”成果主義”の伝統が蔓延ってるのだ。
 
 つまり、日本企業にとって、”これから中国で新しく何かをはじめる”時代ではなくなってきてるのも事実。

 私が中学生の時、文化祭で中国展を開いた。これから先、”中国の時代が必ず到来する”というテーマだった。歴史も古く、広大で資源が潤沢にある中国大陸は、当時はまだ4等国家だったが、とても頼もしく思えたもんだ。

 そして、それは半分は現実となった。しかし今や、中国は日本にとってタブーとなりつつある最大の貿易相手国でもある。
 勿論、中国製の安い耐久消費財や農作物や食料のお陰で、日本の庶民は貧乏でも生き延びてきた。しかし今では、中国製とても決して安くはないし、ハイテク機器の品質には大きな壁も存在する。 

 つまり、バブル期の日本の様に胡座を掻き始めた中国の実態と実像。

 2015年の本だが、こういう話を聞くと、中国もすでに終わりつつあるのかな?という気にもなるのは私だけだろうか。



4 コメント

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香港独立?中国分裂? (paulkuroneko)
2019-11-27 18:20:32
香港デモの大暴動の結果、民主派が圧勝しました。これが台湾の独立に火をつけるとなると中国情勢も大きく変わりそうな勢いです。
私も転んだサンの言う通り香港デモは失敗すると踏んでました。しかし結果は香港の若者の圧勝です。

今回の親中派の大敗は、中国共産党幹部の油断と慢心だと言われてます。
いま中国はウィグルやチベット問題で世界中の非難を浴びてます。この勢いを買って彼らが暴動を起こせば、共産党は一気に追い詰められるかもしれませんね。
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paulさんへ (象が転んだ)
2019-11-27 20:06:54
いろんな論評を見てると、これからも暴動デモは続くみたいですね。
私の考えも甘かったんですが、共産党幹部の考えもそれ以上に大甘だったんですかね(笑)。
共産党も”はじめの一歩”で躓いた感じですが、これからも目が離せません。
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中国なんて無視しようよ (tomas)
2019-11-29 13:22:05
ここに来て急に中国パッシングが表立って来ました。今まで中国に批判的なのはアメリカだけだった様な気がしますが、親中派のイギリスもドイツもウィグル問題では反発してます。

米英が動けば国連が動くとはよく言ったもんだが、ウィグル問題と香港デモで揺れ動くそんな中国の習主席を日本は国賓として招こうとしてる。
反日の中国なんか韓国と同様に無視しとけばいいのにね。
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tomasさんへ (象が転んだ)
2019-11-29 23:55:27
風が吹けば桶屋が儲かるじゃないけど、何処がで暴動が起きれば、アメリカが国連が動くって事かな?
でも全てはゆっくりと様子見ですかね。日本も下手に動くと足元救われかねない。
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