象が転んだ

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いつ見ても嫌なヤツ〜真夜中の訪問者”その86”

2021年11月11日 04時32分22秒 | 真夜中の訪問者

 大学時代には、イヤな奴が結構いた。
 ド田舎の国立大とあってか、次第にその様な暗い錯覚や曖昧な幻想に落ち込んでいた。

 勿論、嫌われる私にも大きな問題がある。
 というのも見てくれが”田舎ウケ”しないのだ。つまり地元では、私の存在は”疫病神”なのである。
 しかし、これが西日本一の博多中洲の歓楽街に行けば、”代議士の息子”となる(笑)。お陰で、タダ酒を何度呑んだことか?それに指名しなくても可愛い娘が色エロ?と奉仕してくれた。

 そういう事で人を評価する時は、生まれ持った能力や才能よりもいや経歴や実績よりも、”パッと見”が大きく物を言う。
 つまり、田舎ウケする顔と都会ウケする顔がある訳だ。これはブログにも言える事で、SNS受けする無難な記事と、誹謗中傷や差別とみなされ簡単に撥ねられる記事とに二極化する。


いつ見ても嫌な奴

 夢の中で、私は熊本県のとある自動車修理工場にいた。愛車の(日産)ノートが車検に通らず、メンテを受けていた。
 工場の主は、大学時代の(比較的)仲のいい友人だった。友人はいきなり、ある男の悪口をまくし立てた。
 私は、落ち着くよう彼を諭した。
 ”だって、君と<ヤツ>はあんなに仲が良かったじゃないか。それに4年間も同じ寮なんて、殆ど同性愛状態だったろうに”
 長身の男は首を振る。
 ”君は勘違いしてる。俺はヤツと離れたかった。でもヤツはとてもしつこいんだ。それに寮費も払ってくれてたし・・・”
 私は驚きのあまり、卒倒しそうになった。
 ”お前まさか?援助交際ってやつ?”
 男は大きく首を振る。
 ”元々安い寮だったんだ。それにその寮を紹介したのは俺で、ヤツが勝手に入り込んできたのさ”
 ”でも、半同棲状態だったんだろ?”
 ”バカ言うなよ!俺はいつもイヤな顔してたさ。でもヤツはとてもしつこくて、下手に出るのが巧いんだよ”

 夢の舞台は、ある大学の中庭に移った。
 私と長身の男は、食堂へと向かっていた。
 男はいきなり真顔になる。
 ”実はここだけの話だが、ヤツは娘に手を出したんだ”
 私の顔面は蒼白になりかけた。
 ”まさか?犯したって事か?”
 男は静かに目を落とす。
 ”その前にも暴力を奮い、裁判沙汰になりかけたが和解になった事がある。しかし今度はヤッちゃったんだよ”
 ”幼児性虐待ってこと?か”
 ”ま、そういう事さね”

 私が一番嫌がってた男が”小児性愛者”って事が判っただけでも、(微妙だが)少しホッとした気分にはなっていた。
 確かに、<ヤツ>は全てにおいてしつこかった。トカゲみたいな顔でヘビみたいに獰猛で粘着性があり、自分で喋ってる事に頷いて笑うというド変質な性癖を持ち合わせてはいた。
 しかし、ヤツは努力家で勉強も出来たから、クラスでも信用があった。
 つまり、ド田舎ではどんなド変態でもド変人でも、”頑張る人は好かれる”のだ。逆を言えば、私みたいに頑張らない人は田舎では300%嫌われる(悲)。

 
なんてこった!

 盛り上がりはしなかったが、大学時代の話をしながら食事が済むと、長身の男は私をアパートの一室に連れて行く。
 男は寝室を案内した。しかし、驚くべき事が私を待ち構えていた。
 何と、<ヤツ>がベッドの上に横たわってるじゃないか。
 私は再び卒倒しそうになった。
 ”お前、これはどういう事なんだ?やはり大学時代からずっと今までデキてたのか?”
 男はヤツを見下していた。
 私はげんなりと寝ていたヤツを叩き起こし、何が起きたのかを訊ねた。
 ヤツは静かに口を開いた。
 ”俺は娘に暴力を奮った。大事な娘に手を上げたんだ”

 長身の男は首を振った。
 ”ホントのこと言えよ。犯したんだろ?”
 私は悲しくなった。
 ”それで、ここに飛び込んできたのか?”
 奴は下を向いたまま、何も言わない。
 男は事の顛末を説明した。
 ”ヤツが以前暴力沙汰を起こした時も、ここに逃げ込んできたんだ。その時はコイツを説得し、家族に謝罪させ事なきを得たんだが、今回だけは俺も庇い切れない”
 私は男を見た。
 ”だから、俺を呼んだのか?”
 男は私を見た。
 ”いや違うね。コイツの素性を君に見せたかったんだ”
 私は壁にもたれ、項垂れてるヤツを眺めた。
 ”しつこいのは知ってたけど、ここまでとは?でもいつからこんな風になったんだ?”

 私は急に悲しくなった。
 ”俺はこんなド変態野郎に嫌われ、纏わりつかれてたのか?”
 そこで、夢から覚めた。


最後に〜”小児性愛者”とは?

 私は大学時代に一度だけ暴力を奮った事がある。
 <ヤツ>がしつこく私の悪口を言いふらすので、(軽くだが)頭を殴った事があった。
 しかしお陰で、私はクラスの嫌われ者になり、殴られたヤツは好かれ者になった。
 夢に出てきたヤツの素性は、多分本当だろう。教師で”小児性愛者”っていう人種は珍しくない。
 事実、信用ある牧師や尊敬される神父でも幼児性愛者は少なくないとされる。
 ただ、”小児性愛者”の一番怖いのは、それが常習化し、”連続殺人”に繋がる事だ。大の大人が相手なら、抵抗され口汚く罵られるが、殆ど抵抗力のない子供なら(口は悪いが)やり放題である。

 小児性愛者は”ペドフィリア”(pedophilia)や”チャイルド・マレスター”(child molester)とも呼ばれ、前者は幼児・小児を対象とした性愛・性的嗜好で、医学的用語として多く用いられる。後者は子供に淫らな事をする児童性虐待者で、犯罪分析によく用いられる用語でもある。
 ペドフィリアは通常”ペド”と呼ばれ、類義語には小児性愛や小児愛や児童性愛がある。思春期の子どもへの性的嗜好はエフェボフィリア(ephebophilia)と呼ばれる。
 ペドは医学的疾患(性嗜好障害)を指すが、一般に障害とまでは言えない小児への性的嗜好全般を指す場合もある。
 一方チャイルドマレスターは、小児性犯罪者とも訳され、犯罪分析によく用いられる。因みに、複数の子どもを性的に虐待する状況をセックスリング(sex ring)とも呼ぶ。

 社会的地位、血縁、性別、年齢、性的指向に拘らず性的虐待は行われている。
 ある調査によると性犯罪の加害者の52%は自分自身も性被害者であるとされるが、別の調査では19%とも。
 虐待被害者が虐待加害者になる事は”吸血鬼症候群”と言われるが、その可能性が高くなるのは事実である。だがそれは単なる傾向であり、多くの虐待被害者は虐待をしていないという報告もある。
 以上、ウィキから簡単に纏めました。

 結局、性的虐待をする人種は、医学的に見ても犯罪学的に見ても嫌な面倒なヤツなんですよ。夢の中でも本気で殴ってやろうかとも思ったが、現実に一度殴ってるので躊躇した自分がいた。
 今から思うと、大学時代に本気でヤツを殴ってたら、ヤツは”ペド”(小児性愛者)にならなくても済んだのかなと、勝手に思ってしまう。



4 コメント

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Unknown (瓊花)
2021-11-11 11:13:24
転象さんご無沙汰しております。
遅ればせながら、お悔やみ申し上げます。

相変わらず興味深い記事で……。
私は、加害者の心理はどうでもよくて、傷めつけられた側の、肉体的損傷は無論、そして記憶も抹消できる技術が発展していくことを願います。

加害者は、恒久的な存在です。
どうやっても、何パーセントかはそういった存在が生み出される。
むごいですが、摂理でもあります。

ならばせめて再生医療で、被害者の心も体も傷つけらる前の姿に戻せるように、と。
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瓊花さん (象が転んだ)
2021-11-11 16:30:18
色々と面倒かけて、どうもです。

全く、言われる通りですよね。
事件を捜査する側は犯人の”生きたまま逮捕”が大前提になるので、どうしても焦点は加害者に向かう。
本来弱者である被害者は加害者の影に隠れ、メディアもジャーナリストも加害者のドキュメントに固執する。
本来なら全く逆の視点で見るべきなのに・・・

コメントこちらこそ勉強になります。
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Unknown (瓊花)
2021-11-11 17:56:57
いや転象さんみたいな義憤でもって人に当たるが第一です。
数学はちんぷんかんぷんですが、どうしても割り切れない存在って、なんでかしら、いつの世にも涌いてでます。

だから、殴ったら手が腐る相手でも、深淵を覗くと深淵から覗かれる、手が腐っても殴る勇気、尊敬します。
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瓊花さん (象が転んだ)
2021-11-12 00:14:44
数学の世界は”割り切れない”事が殆どですが、だから数学者は最後にはアホになる(悲)。
医学と数学が力を合わせ、虐待を受けた被害者の苦悩と苦痛を解析し収束させ、傷ついた心と肉体を治癒させる再生アルゴリズムが見つかれば理想なんですが・・・

嫌な奴って”殴ったら手が腐る相手”そのものですよね。まるで詩人みたいな表現で心の琴線に響きます。
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