私はよくメガネを失くす。だから高価な老眼鏡は買わず、百均のやつばかりだ。
しかし、これが典型の”安かろう悪かろう”で、眼鏡のヒンジ(関節)部がすぐに折れたり、ネジがすぐに外れたりと、正直使い勝手が悪い。酷いのだと左右のレンズが最初からズレてるものがある。
これは投手の肘と同じで、バランスの悪い投げ方で肘を酷使するとすぐにダメになるいい例だ。高価な老眼鏡は、そういった所の作りもしっかりとしてるのだろう。
老眼と同じく、四六時中頻繁に酷使する老眼鏡は、タフで精度が高い事が不可欠なのだ。
ダイソーのバネ付き老眼鏡
しかし、あまりにチョクチョク壊れるので、少し奮発して高価なものを買おうとも思ったが、”貧乏度胸なし”(悲)でやはり百均(ダイソー)に直行する。
最近の老眼鏡は、PC用としてブルーカット仕様もある。度数も4.5程までに増え、選択のバリエーションが増えたのは喜ばしい事だ。
コーナーを眺めてると、「バネ付き 老眼鏡 ボストン」という洒落た名前の奴がある。因みに、ボストンとは単なる深茶色の事でした。
デザイン的には、百均にありがちなダサ目のタイプだったが、”スプリングフィット”という言葉に惹かれた。
実際にハメてみると、その言葉通りで、ヒンジ部に埋め込まれたバネの力で、こめかみにピタリとフィットする。
”これなんだよ、メガネに求められるのは”
そう思いつつ、フレームの強度や柔らかさを確認するも、百均にしてはナカナカのもんだ。
老眼鏡というのは微妙なもので、同じ度数でもメガネによっては全然違う。それも百均となれば、老いた眼力に合うメガネを探すには一苦労する。
老眼鏡が未だに高価なのは、精密な検眼やオーダーメイドによる手間や工賃が高く付くのだろうか。
そういう私には、少しダサいが四角いフレームタイプの奴が不思議と合うみたいだが、作りが雑だから、左右のレンズと両眼との距離がズレる事がしばしばある。
合わない眼鏡は視力を悪くするし、頭が痛くなる。高価な老眼鏡が売れるのはそのせいだろう。
しかし、この”バネ付き老眼鏡”はフィット感が抜群で、一ランク上の老眼鏡のような錯覚に陥りそうだ。
先日紹介した、イヤーピースもノーズワイヤもフィット感がよく、重宝している。
恋人もカミさんも住居もそうだろうが、フィット感というのは大きな要素だと思う。
そういう意味では、今回もいい買い物をしたと思いたい。
何故、老眼鏡は安くならない?
そこで、百均の老眼鏡とメガネ専門店の高価な老眼鏡の違いを少し調べてみた。
「Oh My Glass」という人気メガネメーカーの動画を見て参考にします。
まず価格の違いは、①手作業か否か②製造国③素材④ブランドの4つが挙げられるそうだ。
ま、これらは想定内だが、それでも100円と5万円では500倍もの差がある。実際にそこまでのコストパフォーマンスが高価な眼鏡には存在するのだろうか?
①の手作業だが、眼科医やメガネ店で検眼を行い、左右の視力の違いや瞳孔間距離や左右の瞳孔の正確な位置を計る。それに、仕事で使うのか?レジャーで使うのか?日常一般で使うのか?で度数は大きく変わる。
そういう全てを検査した上で、手作業で組み立て仕上げていく。
それに③の素材(フレーム)だが、安価な流し込み型のプラスチックは耐久性に乏しく、それかと言ってセルロイドは加工成形に非常に手間が掛る。今流行の軽量薄型のチタンは、大掛かりな機械を必要とする為にやはり高価になるという。
つまり、軽くて丈夫なフレームなら当然より高価になる。レンズの素材もプラスチック製の薄くて度数が高く軽いとなれば、当然高くつく。ただ、軽くて薄いプラレンズは屈折率を高める為に硫黄を混ぜるので、色滲みを起しやすいとか。
②の製造国と④のブランドは論外とみなしても、検眼を含めた手作業による精密な成形工程とフィット感を重視したフレームを考慮すれば、確かに数万という出費も致し方ないという気がする。
最後に〜良質な老眼鏡のススメ
しかし今や、そのオーダーメイドの眼鏡も価格崩壊を起こしつつある。
世界や日本全国にチェーン展開するメガネショップが増えてきたからだ。それに眼科医で検眼の処方箋を書いてもらえば、ネット上でも注文できる。
私もその気になり、少し価格を調べてみたが、やはり玉石混交である。全国チェーンで安くて人気のZoffやJINSやDr.EYE'sは、安いものだと5500円(税込)から存在する。勿論、信用ある老舗の高級眼鏡店なら5万近くはする。
見るという行為には、目だけでなく脳も深く関わっている。というのも目(カメラ)で得た画像情報を脳でせっせと処理し、映像化してるからだ。
人は人生の大半の時間を”見る”事に費やす。寝る時を除けば、殆どの時間を見る事に費やしてるとも言える。
そんな四六時中酷使される眼の能力である視力を支え、補正&補強してくるのがメガネだ。
そんなメガネを長く使う必需品だと考えれば、最低でも数万は出さないととも思うが、品質や耐久性やフィット感にそんなに違いがなければ、安くて済めばそれに越した事はない。
それに若い時はそうでもないが、歳を追う毎に視力や顔形は急速にズレてくる。運転免許証と同じで、数年に一度は検眼し、メガネを更新する必要があると思う。
そう考えれば、メガネ選びは安い高いではなく、慎重に行うべきだとも考える。
そういう私ももうすぐ60だ。それにネット全盛の今、老眼鏡の必需性は大きくなる。高価でもいいから1つは、良質で信頼ある眼鏡を揃えたいもんだ。
メガネの価格競争は今始まったばかり。
ここは玉石混交をも含め、じっくりと観察させてもらおうじゃないか。
子供の頃は百均のメガネなんてなかったので、視力の悪い子供はとても高価な眼鏡をハメてました。
視力がいいのは安くつくなって親に感謝したもんです。でも視力がいいのに図に乗って自ら視力をダメにしてしまいました。
もっと若い頃に視力を大切にしてたらと後悔しきりです。
でも老眼は一種の病気とも言えるので、保険が利くようにしてほしいですね。