COVID-19の流行にともなって、読書にもさまざまな影響が出ました。多くの書店が休業して、東京都は古書店(古本屋)に休業要請をしました。ネット通販で本を買おうとしたら在庫切れで入手困難という状況も生じていました。図書館も多くが休館になりました。参考文献を読むことができないために論文執筆や研究に支障が生じたという話も聞きました。
こうした中で、『ペスト』(アルベール・カミュ)、『アンドロメダ病原体』(マイクル・クライトン)、『復活の日』(小松左京)など感染症の流行をテーマにした文学作品が読まれました。
読みたい本を無料で宅配するサービスを実施した図書館がありました。声優が文学作品(著作権切れのもの)を朗読してネット上に公開するという活動も注目されました(「せいゆうろうどくかい」で検索できます)。
気持ちを落ち着かせることができること、先人の知恵や努力から学べること、文学作品から生き方や人間のあり方を考えさせられることなど、読書にはさまざまな効用があります。不安をかきたてられるような状況でこそ、少しでも読書がしやすい環境が必要だと思いました。