ビストロ レアール

石川県小松市にある「ビストロ レアール」のシェフがつづるあんなことこんなこと

気分はカネタカ カオル

2005年05月14日 | シェフのコラム
私が初めてフランスで働いたレストランは
ノルマンディー地方カンと言う町から
10km離れた所に
人口1800人の村にある
オーベルジュ 

マノワー ダスティン
と言うレストランでした

敷地の周りは
蔦のからまる石壁で
門の脇にはポワールの樹があり

門を入り芝生の庭の所々に
ノルマンディーらしく
林檎の樹が植えられ

右手奥にレストラン
門からレストランの入り口までは50m位小石が敷かれてあり 
左手にホテル そしてその並びに
私とアプランティーと言う見習いの料理人とギャルソンの寮
寮の裏手には中庭があり
なんと広い土地なのだろうと
思いました。

初日はキュイジニエ達と
庭師、洗い場、メートルドテルと
厨房で食事をしてから 
右も左も上も下もフランス語もわからないまま

頭の血管が切れそうな程
緊張して一日目が終わり

翌日 お昼のサーヴィスの前の仕込みの時

ガラーン カラーン  ガラーン カラーン

ガラーン カラーンと

教会が隣にあり
その大きな鐘の音と 
蔦の絡まる石壁のレストラン
色とりどりに咲く 花壇の花々
青く高い空

思わず
昔、あー!テレビの番組で
「カネタカ カオルの世界の旅」と同じだー 
と 感激したのも
まだ 鮮明に覚えています。


心残りのカヌレ

2005年05月14日 | シェフのコラム
ブームは去ってしまいましたが。
定着してほしかった地方菓子のひとつに
カヌレがあります

ボルドー地方の焼き菓子で
つやのあるキャラメル色の姿からは
想像出来ないほど存在感があります!

私の師 ミシェル トラマ氏のレストラン
オーベルガードではこのカヌレを
コース料理のあとの
カフェと共に出す プチフール(小焼き菓子)の盛り合わせの
ひとつにお出ししていました。

初めて口にした時
なんて美味しい焼き菓子なのだろう!!
これだけは ぜったいレシピを教えてもらおう! と

表面は濃いキャラメルの色
口を開け歯をあてると想像どうりにカリッという
歯ざわり! 中はモチモチで プリンの様な味!が 
後を引く事といったら。 残った時には
キュイジニエ達 が奪いあい!

以前 一世風靡した カヌレは
私が食べたカヌレとは だいぶ違い
物足りなさと 売る側の説明不足を感じました

カヌレが流行る少し前に
ある所で作って 売っていた時には
必ずオーブントースターで4分程温めてから
2分程粗熱を取ってからお召し上がりください。
と 一言添えました。


あめと同じで冷えてくるに従い
表面がカリッとしてカヌレ独特の食感を生み出すのです

シュークリームを持ち帰るのに時間がかかる
お客様にはお売り出来ませんとこだわる
パティスリーがあるのだから
温めてから粗熱をとってからお召し上がりになる
お客様以外にはお売りできませんと言う位の
お店がたくさんあったら
クレームブリュレのように
市民権を得たのではないかと
つくずく残念で仕方がありません。