映画「劇場版 薄桜鬼 第一章 京都乱舞」を見ました。
動乱の幕末を舞台に、新撰組隊士たちが活躍するアニメーション。
わたしのような、歴史好き&新撰組好きにはたまらない作品のひとつです
母体はゲームに始まり、TVアニメも放映され、隊士たちキャラクターの美しさから、一部女子のハートを鷲掴みにしました。
史実を基に、「鬼」という存在しえぬ者が登場するオリジナルファンタジーを融合させ、荒ぶる魂がぶつかり合う幕末の京都が見事に表現された、とても骨太な作品だと思います。
スタッフは、画面の隅に咲く小さな花にさえ、(あの時代に本当にあったかどうか?)というところまで調べ、大変なこだわりを持って作ったそうです。
◆◇◆この先ネタバレあるけど、どっちかというと歴史の話中心だよ◆◇◆
今回公開された第一章では、芹沢鴨(せりざわかも)暗殺後の新撰組が描かれています。
かの有名な池田屋事件~油小路の変(あぶらこうじのへん)、そして、二条城の帰りに近藤勇が銃で狙撃され、鳥羽・伏見の戦いに敗れ、戊辰戦争に突入する直前まで。
武器が刀から銃に変わりつつある時代、袴を足首でギュッと縛った和装姿、刀のみで戦う様が丁寧に描かれています。
※「池田屋事件」・・・・・・池田屋に集まった尊王攘夷を掲げる長州・土佐藩士たちを、襲撃し殺害あるいは捕縛。当時無名だった新撰組の名を、(功績というよりはその強さと非情さで)京都中に轟かせるにいたった。
※「油小路の変(あぶらこうじのへん)」・・・・・・新撰組から分かれ御陵衛士(ごりょうえじ)として独立した、伊東甲子太郎(いとうかしたろう)や藤堂平助(とうどうへいすけ)らが、裏切者として暗殺された事件。
(※映画では藤堂平助は死なずにいます。後編につづくのでしょう。
近年、「触れてはいけない秘密がある」という風な、意味深発言が残っているため、「実は生きていたのでは?」とささやかれています。確かに、近藤勇は「藤堂だけは助けたい」と言っていたらしいですが・・・・・・確証がないので歴史の謎です。)
◆◇◆◇
新撰組の活躍が、歴史に大きな影響を与えたとは思えません。
歴史を作ったというより、歴史に翻弄された人たち。
ただ、その生き様に惹かれます。
彼らはなぜ、命を賭けてまで武士に憧れたのでしょう?
たとえ貧乏でも、自然豊かな多摩の田舎で、仲間とともに助け合いながら暮らし、楽しく笑って一生を終えることもできたはずです。
この疑問の答えを導くかのような台詞が叫ばれました。
「愚か? それがどうしたってんだ。俺たちは元から愚か者どもの集団だ。バカげた夢を追いかけてここまで来た。」
「いい加減我慢ならねえ! 腰抜けの幕府も、邪魔くさいてめぇらも。」
「まがいものだと?それが一体どうした。俺たちは、今までも散々、武士のまがい者として扱われてきたんじゃねぇか。だけどな、何があっても信念だけは曲げねぇ。まがい者だろうが何だろうが、貫きゃ誠になるはずだ。俺は・・・・・・俺たちは、本物になれるってこったろう!」
(「薄桜鬼」より台詞抜粋)
普段クールな土方歳三が、熱く叫んだ言葉が、胸に響きます。
実際の本人の言葉ではないか、という気がするほどです
◆◇◆◇
新撰組については、ほかの文献等も面白く興味深く、色々書きたい気持ちでいっぱいです
でも今回は、映画「薄桜鬼」の記事なので、これにのみ留めます。
映画の第二章は、春に公開予定だそうです。
歴史の波にもまれ、仲間が一人また一人と散っていくのを、最後まで見届ける人がいます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます