『蜻蛉日記・更級日記』(犬養廉訳・現代語訳学燈文庫)を読みました。
内容を深く理解するには、1回読んだだけでは足りません。
しかし、流れるような文字の連なりはクラシック音楽を聴いているような心地よいリズムです。
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先日、新設中の「中央無菌室」を見学しました。
ペンキの香りがツン、と鼻をつきます。
骨髄移植をする時には、最低1か月間はここに入ります。
扉の向こうには、さらにもう1枚扉があります。
その先へ行けるのは15歳以上の近親者1名のみ。
体温を計り、荷物などのチェックを受けて入ることができます。
その他のお見舞いは、別室のモニター越しで30分間話すことができます。
完全無菌室は全5室。
TV・DVD・YUSEN、冷蔵庫&冷凍庫、トイレ、シャワーとフル装備です。
トイレは外から丸見えです。
移植が終わるまで、ここから出られません。
牢屋テイストをたっぷり味わうことができます。
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医師より、移植前の前処置で放射線を浴びる(致死量の2倍!)ため、不妊になることを告げられました。
卵子保存の道もあるのですが、現在、日本の大学病院ではどこもやっておらず個人病院でのみ出来ると言います。
もちろん保険適用外です。
卵子を保存してどうするんでしょう。
試験管ベビー?
代理出産?
・・・・・・想像できません。
一度でいいから自分の赤ちゃんを胸に抱いてみたいです。
でもわたしには無理そうです。
それに、3度の化学療法ですでに生理が止まっています。
自分が白血病であることに泣いたことはありませんが、子供を産めない体になることを考えると、どうにも悲しみが止まらず涙が溢れてきます。
女とは「個の保存」以上に「種の保存」を優先させる生き物なのでしょうか。
わたしの中の女としての本能が、ザワザワと騒いで平静でいられなくなるのです。
はい。
きっと……