僕は名もない凡人でいたい

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シンポジウム 希望と絶望の表裏

2018年09月18日 | ボランティア活動
医療講演・シンポジウム当日。

ボランティアの皆で準備をしています。

おお、カッコいいじゃない!
この方もボランティアです。

私の司会は概ね好評でした。
オーケストラの友人は翌日に本番を控えた中で来てくれました。
県外の遠方から、わざわざ足を運んでくださった方もいました。
お忙しい中、たくさんの方に来ていただいて感謝しております。


あの映像は辛かったな……。
移植後に子供を授かった人たち、赤ちゃんの映像が、中島みゆきの「糸」の音楽とともに流れたのです。
私は暗がりで泣き崩れました。

かつて、セカンドオピニオンでこう言われました。

「卵子を採取・保存し、患者が5年生存し、体に戻して妊娠・出産できたのは国内で1例のみです」(2012年当時)

子供はあきらめました。
その時、私の体は抗がん剤でボロボロでした。生理も完全に止まっていました。

心の奥底に閉まってある悲しみと絶望感。
自分の病や死は受け入れられても、子どもを授かれない苦しみは別のもの。
一体なんなのでしょう。
自分でもわかりません。

泣いていては司会が務まらないので、最後の言葉を終えるまで、心をぐうっと冷たくしました。

終了後、学生時代の恩師の顔を見た途端、心が緩んで、子供のように抱きついて泣いてしまいました。
大学の友人が、
「あれが流れることは事前に知っていたの? ひどいよなあ……」
ポツリと言いました。
(当日のリハーサルで知り、「泣いてしまう。免疫をつけたいのでしばらく流してほしい」とお願いしたほどです)

私はちゃんと泣けて、言葉にできるからまだいいです。
声をあげることもできず、日陰で泣いている人たちの心はどこへ行けば癒されるのでしょう。
あの映像に私が傷ついたように、障害もなく生きている私を見て、傷つく人もきっといるのだろうと思いました。

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