「人間関係をしなやかにするたったひとつのルール」渡辺奈都子
昔、そして現在もなお2つの島があります。
ひとつは、「外的コントロール島」、もうひとつは「選択理論アイランド」。
外的コントロール島の人は、「私は、相手をコントロールするのとができる」と信じ、
選択理論アイランドの人は、「私は、自分だけをコントロールすることができる」と信じています。
なぜ、期待がコントロールになるのか?
私たちは、大切な人であるからこそ放っておけないし、期待してしまうし、自分の理想に近づくように変わって欲しいと願います。
他者に、○○であってほしいと期待することそのものが問題なわけではありません。
どちらの島の住人も、相手に自分の理想に近くあって欲しいと望んでいます。
大切な人への期待が外的コントロールに変わる理由は、
私たちは、自分の大切な人たちと、自分にとって心地よいと感じる関係を築き、その人たちには、自分が好ましいと感じる振る舞いや言動をして欲しいと願うためです。
外的コントロール心理学には、3つの信条があります。
1、私は外側からの簡単なシグナルに反応して行動する
2、私は、人がしたくないことでも、自分の思うようにさせることができる。他の人も、私の行動、思考、感情をコントロールすることができる。
分かりやすくいうと、
私が、○○すれば、必ず、相手は○○になる。相手が○○したから、私は○○になった。という方程式。
期待することは、外的コントロールではありません。しかし、期待通りにならないことを許さないのは、外的コントロールです。
外的コントロールは、オーナーシップの関係の中で使われやすくなると、グラッサー博士は言う。
家を所有したり、車を所有したりするような関係。
たとえ夫婦でも、親子でも、相手のオーナーになることはできないのです。
人間関係を破壊する致命的な7つの習慣。
1、文句を言う
2、脅す
3、責める
4、罰を与える
5、批判する
6、褒美で釣る
7、ガミガミ言う
その他、無視する。馬鹿にする。引き籠る。比較する。格付けする。相手の罪悪感に訴える。いじける。ため息をつく…。
どんな優しい口調で相手を認めるような発言をしたとしても、私は正しい、相手は間違っている。だから、私の思う通りにコントロールしようという信条のもとに関わっていたとするなら、それは外的コントロールの域を出ていません。
外的コントロールを長年使い続けてきた島の人も、この暮らしに満足しているわけではありませんでしたが、他の考え方を知らなかったので、仕方ない、どうせどこに行っても同じことだと諦めているひとがほとんどでした。
人間関係をよくする身につけたい7つの習慣。
1、耳を傾ける
2、励ます
3、尊敬する。敬意を払う
4、受け入れる
5、違いを交渉する。調整する。話し合う
6、信頼する
7、支援する
選択理論アイランドに移住するための条件とは?
「あなたが人間関係で信じていることは次のどちらですか?」
A 私は相手を変えることができる。
B 私は自分だけを変えることができる。
Bにサイン出来た人だけが、選択理論アイランドに移り住むことが出来ます。
ときどきでも外的コントロール島に戻ることが必要だと思われている間は、アイランドに住民票を移すことは出来ません。
褒めてあげれば、相手はやる気になるだろう。認めてあげたら、相手は私の言うとおりにするだろう。というような操作的な意図は外的コントロールです。
責任とは、他人の欲求充足の邪魔をしないで自分の欲求不満を満たすこた。
我慢ではなく、忍耐。
我慢は、自分の欲求充足をおこたる行動。忍耐は、目標を諦めない強い心の現れ。
我慢を続けても、得たいものは得られないでしょう。忍耐は、あなたを目標へと近づけます。
我慢を続けていても、決して幸せになることはないのです。忍耐は、希望を与えるでしょう。
グラッサー博士は、
良い関係を持つ最善の方法は、一緒に学習する楽しみをもつことであり、
笑いと学習は、成功したあらゆる長期的な人間関係の基盤であると言っている。
欲求=基本的欲求
先天的
誰にでもある
変化しない
願望=上質世界
後天的
自分オリジナル
変化する
人が不幸を感じる理由
1、あなたがしてほしいことを相手がしてくれない
2、誰かがあなたにしたくないことをさせようとしている
3、上記の両方
4、自分のしたくないことを自分にさせようとしている
選択理論をどんなに学んだところで、相手への期待はなくならないのです。
しかもそれが身近な人間関係であればあるほど、その期待は大きくなります。
期待をリクエストとして伝える。
リクエストとは、こちらの期待は伝えるけれど、その答えは相手側が決定して構わないというのがルールです。
ラジオ番組にリクエストを出して、ボツになっても仕方ないよね。という感覚。万一読まれたら、ラッキーと有難く思う感覚。
コントロールされないためには、相手の意見にむやみに迎合せず、我慢するのではなく、自分の考えとの違いを理解しながら、相手の話に耳を傾けること。
相手の上質世界を否定してはいけない。
相手の上質世界を傷つけないのは、礼儀とかルールみたいなものである。
グラッサー博士曰く
「注意してほしいことは、力の欲求は私たちの遺伝子に組み込まれているが、外的コントロールは組み込まれていないということだ」
「人間関係を壊さずに力の欲求を満たすためには、相手から何かを奪い取ることをせずに、違うやり方で欲求を満たす方法を学ぶ必要がある」
外的コントロールとは、
自分の思っているように相手をコントロールしようとすることです。また、自分も相手にコントロールされているという考えも、外的コントロールの現れです。
外的コントロールを手放すには、変えられないものは受け入れ、変えられるものを効果的にコントロールしようとする生き方を選ぶことです。
他者とのつながりを無視して真の幸せを得ることが困難だとしたら、もう腹をくくって「より良い人間関係の築き方」を身につける、ということが幸せな人生のための近道なのではないでしょうか?
表面的に優しい言葉を使っても、相手を操作しようとしていれば、外的コントロールに変わりありません。また、嫌なことでも我慢してニコニコしなくてはならないと捉えてしまい、自分の欲求が満たされないのであれば、より良い人間関係とはいえません。
選択理論は、誰かのために生きる人生ではなく、本当に自分らしい幸せを感じられる人生のあり方を教えてくれる知恵なのです。
自分を変える3つの方法
1、行動を変える
2、願望を変える
3、見方を変える(視点を変える・意味を変える)
リアリティセラピーでは、すべての行動には目的があって、人はその時できる最善の行動を選んでいると理解する。後になって考えれば、違う答えがみつかることも、その時は、誰でも精一杯の試みをしていたと、捉える。
私たちが幸せになるために必要なこと、それは、現在(いま)を生きることに他ならない。
選択理論を身につけるひとつとして、スルー力を高めることも必要。
外的コントロールが大好きという人に対して、外的コントロールをやめさせよう!という、外的コントロールを使わないこと。
スルー力を鍛えるというのは、相手の存在に無関心になるのではなく、相手のこうとに、こちらがコントロールされないということ。
自分自身は、不機嫌な人と上機嫌な人でいることのどちらを選ぶか。
自分が機嫌よく幸せに暮らしているだけで、3人先の人はにまで、良い影響を与える。
自分で自分を幸せにすることが、社会貢献につながる。
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