暖かい地方にはガジュマルとかハマイヌビアとか、クワ科イチジク属のいわゆる「絞め殺しの木の仲間」という植物があります。石垣島だと他にもイタビの仲間、ゴムノキの仲間、身近なところだとお店に売ってるベンジャミンもそうです。葉っぱを一枚貰うと白い汁が出て来ます。これは「フィシンと言う分解酵素」で、傷付いた所からのバイ菌をやっつけたり、傷口を塞いだりする役目をしています。人間の血液と同じですね。分解酵素なので肉を柔らかくもします。肉料理にイチジクを使うのはその為でもあるんです。
★絞め殺すと言うよりは・・・、
絞め殺しの木の仲間の果実を食べた鳥が他の木の枝などで糞をしたさいに、種子は消化されずに出て来ます。運よく発芽できた種子は根が地面に届くまでは少ない栄養で細々と暮らしていますが、地面に届き沢山の栄養が得られる様になった途端、成長を早め土台の木を囲い込む程に成長します。やがてその木は成長出来なくなり、樹幹も覆われ日光を遮られ、結果枯れ死んでしまうのです。
無敵のような気がする絞め殺しの木の仲間も、他の科の植物に覆われ死んでしまう事もあります。そうでなくても元気な強い木で発芽した時は、その木のフィトンチットやヤニ等で攻撃され、負けたり小さくなってる事もあります。
今回の画像は絞め殺しの木の仲間でも代表的なアコウの木です。もともと何かの木に絡みついていたのかも知れません。斜めに伸びた為に自らの重みを支えようと、途中からでた気根がやがて支柱根になり、アーチ状になったんでしょう。亜熱帯・石垣島の森の中を歩くと、このような不思議な光景に出くわすのも珍しくはありません。オイラの石垣での山の先生・Mさんが指さして説明している相手は、この素晴らしい森を取材に来てくれた内地の新聞社の方です。汗だくになりながらも珍しい光景、絶滅危惧種や石垣島の保全種、国天然記念物にも出会え、楽しむと同時にこの森の貴重差も伝わったようです。後日送って頂いた新聞を見ると、まさかの見開き2ページで扱って頂きました! ありがとうございます。
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