今朝も相変わらずの、
真珠色の空で明けました。
それでも、おずおずと?
太陽も出てくれ・・。
しかし、暖かい朝!
暖かいのは、本当に有り難いの
ですが、この所の気温の上下降の
激しさには、驚かされます。
気温は、とっくに春浅き頃のそれ。
でも、その頃独特の
“春の匂い” は、流石に感じません。
それもその筈、まだ大寒を迎えたばかりなのですものね。
そんな中・・。
つい先日には 「室内と戸外の優劣」?
に、負けてしまいました、フランス映画、
『きつねと私の12か月』 を観て来ました。
今日こそは、「室内と戸外・・」 なんて
我儘が許される筈はありません。
折角 “ジュリアンの君” に頂いた券の、
有効期限は明日(23日)までなのですから。
それなら、こんなに暖かい今日、
出掛けない法はありませんものね。
と言っても、これは出掛けるまでの話。
映画が終わって外に出てみると、雨・・。やはり冷たい雨となりました。
いつもの事とは言え、又々、前置きが長くなってしまいましたね。
この映画は勿論、予告編の段階で、絶対観ようと決めていたものです。
以前にも申しましたが、何より言葉そのものが音楽のように美しい、
フランス映画である事。
その上、美しいアルプスの風景しかり、
少女と可愛いきつねの愛の物語・・と、来ているのですから。
特に、スクリーンに広がるフランス・アルプス地方の四季は、圧巻です。
(その割には、なかなか重い腰が上がりませんでしたけれど)
映画は、10歳の少女リラが、美しい紅葉に染まる秋の午後、
学校帰りに山道で、1匹の狐(きつね)に出会う事から始まります。
一目で、その狐の愛らしさに恋に落ちた彼女は、
その狐に会うために、毎日、毎日・・辛抱強く待ちます。
ある時は巣窟の前で、又ある時は木の上で・・。
森の中ですから、狐だけでなく狼(おおかみ)や、他にも怖い動物が沢山いるのですが・・。
その狐に、“テトゥ” と言う名前を付けたリラ。
次第に・・少しずつ・・二人の距離は縮まって行くのです。
私は、犬を飼うのだったら柴犬と決めているほど、柴犬が大好きです。
このテトゥが柴犬にも似て、凛々しくて可愛くて・・。
折しも・・と言いますか、奇しくも・・。昨日、径の向こうには何が・・?
なんて、想像を逞(たくま)しくしたものです。
おまけに少女の名前も偶然にも、リラ。
10歳の少女に戻って、あの径の向こうの・・美しい森の中を、テトゥと一緒に駆け回って・・。
そんな錯覚さえ、今日の映画は抱かせてくれました。
しかも、フランスのアルプスの森を・・。
(正確には、フランス南東部アン県のルトール高原とイタリア・アブルッォ地方)
いつもの事ながら、音楽のようなフランス語と、美しい森の中の光景が、
浮かんでは消え・・離れません。映画って、本当にいいですね!
森って、本当に素敵ですね!
「・・・今は森の中が素敵なのよ。
羊歯も繻子地のような葉も、いろんな木の実も、
森のものはみんな眠ってしまったの。
まるで誰かが春が来るまで森のもの全体を木の葉の毛布で、
くるんでしまったようよ。
きっとね、虹のスカーフを付けた炎色の妖精が最後の月の夜に、
抜き足差し足でやって来て、そうしたんだと思うわ。・・・」
【「赤毛のアン」 第30章】