Liu Xiang Tea Salon

「リュウシャンティーサロン」での中国茶・台湾茶のレッスンの様子、季節ごとのインテリアの設えなどを綴っています。

福建省茶の旅6〜政和白茶・政和工夫紅茶

2019-05-28 | Tea Trip
武夷から政和へ移動し、政和白茶と政和工夫紅茶の製茶を学びました。



ホテルも併設された素晴らしい環境の隆合茶業にて



白茶の重要な工程は萎凋と乾燥です



1kgの茶葉を萎凋できるふるいが1万個も!
整然と並べられていて圧巻でした。



まずは審評室にて白茶の審評をしました。



茶葉3g, 時間2分 ,温度100℃
①白毫銀針(福安大白種/新芽)2019年
②白牡丹(福安大白種/一芯一葉)2019年
③貢眉(小茶)
④寿眉(福安大白種/新芽)2019年
⑤福鼎大毫(政和で栽培の福鼎大白種)2019年
⑥福雲595(福安大白種×雲南大白種)2019年
⑦政和大白2019年
⑧福大牡丹王(福安大白種)2018年
⑨福大牡丹王(福安大白種)2016年
⑩福大牡丹王(福安大白種)2012年



茶友と審評服を着て





建物に描かれた製茶工程の図、菜摘。



茶畑で茶摘み。



隆合茶業のオーナー、杨丰老師。



新芽は銀針や良質な白牡丹使われ、新芽のない茶葉は寿眉、紅茶、ジャスミン茶になります。



萎凋



今回は紅茶の製茶です。ふるいに広げて水分を蒸発させます。このふるいは風通しが良く、萎凋に最適だそうです。



72時間ほど萎凋し、白茶は85%の水分を蒸発させます。紅茶は60%水分を蒸発させます。



萎凋室の壁は30℃の傾斜がついています。萎凋室に風が下から上に流れ、屋根に当たって循環する仕組みとなっています。萎凋が平均になるために良い風が流れるような伝統の設計で、12mの高さがあります。



伝統製法の手作業で揉捻します。



ボールを回すように力を加えながら、腰を入れて力を加えます。



茶葉を揉んだら12時間以上置いて発酵を促します。



揉捻を終えたばかりの茶葉は綺麗な緑色です。



静置。湿った布を被せて12時間以上置いておきます。



3時間ほど経つと,茶葉の色が半分ほど赤茶色に変わっています。



天気が悪い時には室内で烘干(乾燥)をします。



筛分。細かい茶葉などを選り分ける工程。



茎や良くない茶葉を選り分ける工程。



もう一度复火(乾燥)。



出来上がった茶葉を袋詰めし完成です。



自然な環境で萎凋された茶葉は、葉の周りや葉脈から次第に水分が蒸発して発酵し色が変わるので、色は均一でないのが通常です。しかし現代の技術では人工的に負荷をかけることにより、水分蒸発を均一にできるそうです。なので茶葉の色が均一で綺麗なものは人工的につくられたものとのこと。伝統の自然製法では緑、クロ、白などと色々な色が混ざり合っています。



杨丰老師が秘蔵の陳茶を飲ませてくださいました。
①1985年 政和工夫紅茶
福建省の貿易会社がフランスへ輸出したという貴重なお茶



②20年老茶 武夷山慧苑坑の水仙



②1978年 イギリスへ輸出したという貴重な正山小種

杨丰老師お話では
1年 お茶
3年 薬(渋みも苦みもなくなるので)
7年 宝(保存が長くそれ以上は良くならないが珍しいので)
だそうです。



食堂から見える同桐花の舞い散る姿が雪のように美しかったです。