「がんの原因として何を考えているか」のアンケートで、主婦とがんの疫学者の間の乖離が話題になっています。
出店は1990年黒木登志夫「暮らしの手帖3世紀25号」です。
今は、主婦というか一般の人も、アルコールや放射線、紫外線をがんの原因として認識している人が増えていると思います。子宮頸がんワクチンの理解も深まっていることから、性生活が子宮頸がんと関連があると認識している人も増えていることでしょう。
煙草に対する認識も深まっていると思います。今アンケートをすると、がんの原因としてたばこをあげる人が増えているでしょう。
興味深いのは、主婦は食品添加物や農薬など、食事以外のものががんを引き起こすと考えていますが、がんの専門家は「普通の食べ物」=普段食べている食事の内容が、がんに関係あると考えている点です。
日本の食品添加物の安全基準は高く、また農薬の残留などほぼ問題にならないのですが、そこを強調して食の安全を訴える人もいます。ただそれよりも、例えば脂質の多い食事が大腸がんのリスクをあげるように、食事のバランスの方がよほど重要なのです。しかし、食品添加物や農薬を悪者にした方が、お金が儲かるため、巷ではあたかもそれらが悪というイメージで語られます。それを信じて高い食品を買うのはいいのですが、ただあまりに無農薬・無添加食品に固執していると生きづらくなり、逆に病んでしまうのではないでしょうか。