「石の上にも三年、せめて3年間は、今の職場で頑張ってみよう」
と何度声をかけた事だろう。
新人研修での事だ。
そう言う自分はどうだった?と問うと公務員を2年で辞めたではないか…
「言うは易し」である。
最近の若者は、せっかく大企業に入っても、
『指導して貰えない、叱って貰えない』『ここに居たのでは成長できない』
そんな理由で、自分が成長できそうなベンチャー企業へ転職する事例が多いという記事を読んだ。
もちろん、それは都会の話だ。
地方都市では、転職しようにも成長したい若者を受け入れてくれそうな企業は少ない。
ましてやコロナ後の景気は一向に上向きにならない。倒産する中小企業もあとを絶たない。
給与は上がらないし、上がるのは物価と、電気代ときている。
そんな中、
私の住む市では首長を決める選挙が始まった。
候補者は2名、現職と新人の一騎打ちである。
公約を読むと、両候補とも給食費無料などの子育て支援策を掲げている。
街頭演説では、
現職は現在進行形のIT政策を止めるわけには行かないと訴えていたし、
新人候補は、子育てや若者が暮らしやすいワクワクする街づくりを目指す、という。
以前なら、高齢者が住み良い街づくりというスローガンを掲げて市長選に望んだ候補者もいたが、
ここ数年は、人口減少、少子化を念頭においた公約が目立つ。
「年寄りは、どうでもいいのかい」
という高齢者からのグチが聞こえてきそうだ。
理由を考えると…
選挙人名簿は27万5千人だが、だいたい投票率は40%前後…
実際に投票に行くのは10万人程度で
半分以上の有権者が棄権しているのだ。
その中には、高齢者の比率も高いのではなかろうか?
冬の選挙は、神経痛が出てきたりで、ますます外に出づらいし、
高齢者の足は選挙から遠のく。
投票所に行く足が無い、という独居の高齢者も多いはず…
そうなれば、候補者たちは最初から高齢者の投票率に期待できない。
そうなると、ITの促進や子育て支援を挙げて若者や40、50代の選挙人をターゲットにした方が票が稼げる…というわけだ。
高齢者に関する公約では、
デマンドバスを充実させるというのもあったが、
まずは選挙に行く足の確保が先決問題だ。
ついでに、元気な高齢者の働き場所を作る…などの公約があればありがたい。
65歳以上の2人に1人が働く時代ではあるが、
地方都市の高齢者には都会と違って、働く場所が限られている。
猛暑や極寒の中で交通整理をする高齢の男女を見るたびに、
もっと身体に負担にならない仕事はないのだろうか?と考える。
働きたいが働く場所がない高齢者のための働き場所づくり…が喫緊の課題ではないのか?
団塊の世代で無年金の人も多いと聞く。
生活保護ではなく自立したい高齢者も多いはずだ。
若者の働き口と同時に、高齢者雇用も考えなくては経済は上向きにならない。
立候補者には、やはり経済の立て直しを第一に考えて貰いたい。