第二章 運命の悪戯
優は いきつけの 喫茶店へ凛を連れて行った。
そこは 昔のスナックのようなカウンターと、 10人も入ればいっぱいになるような感じの店だった。
ここちよいBGMが流れている。
たしか ナッキンコールの「When I Fall in Love」ね。
映画 バンジージャンプで テヒがリクエストした曲だわ。
凛は クスッと笑った。
カップからほのかに香るエスプレッソ。
心地よいBGMと、優しい彼の微笑みに酔いしれながら、時は過ぎて行った。
凛「私、もう帰らなきゃ・・・」
優「そう?そうだよね・・・こんな時間だ。外は暗いよ、僕が家まで送っていこう。襲われでもしたら大変だ。」
そして、すっかり暗くなった夜道を、凛と優は並んで歩いた。
凛「ここで結構です」
優「家は、この辺?」
凛「あそこです・・・」
凛が指差したところは、少し階段を登った先に玄関のあるおうち。
・・・なんということだ・・・
凛の家の階段を下りたところが、優の住む、姉がやっている食堂だったのだ。
(この雰囲気は、テプンの家&スハの家風)
凛&優「今日は、ありが。。。。」
二人が同時に話したので、二人ともお互いの顔を見ながら、笑い出したのであった。
凛「なんだか、おかしいですね。今日初めて会った人とは思えないくらい。。」
優「うん。僕もそう感じてたんだよ。そうそう、デジャヴっていう映画があってね、君との出会いもどこか以前会ってたような気がして・・・」
凛「デジャヴ。。そうかもね。」
通りすがりの酔っ払い~。
「んん?ナヌ? で、ジャブってか
お嬢ちゃん・・・ソイツ、送り狼かい 」
凛 「い、いいえ、この人はお友達です 」
通りすがりの酔っ払い~。
「おお、そうかい、ほなな、さいなら、 はぁ~うちの母ちゃんは、デブジャ ヨイヨイ」
酔っ払いが、近くに来た時、思わず抱いた凛の肩に手をおいたまま・・・
優 「そっか、お友達か・・・頑張るぞ 」
凛 「?」
優「さっきは 酔っ払いのおっさんに邪魔されたけど・・・まだ、僕は 君の名前聞いてなかった」
凛「えっ!? うふふふふっ 本当だわ。私もまだ あなたのお名前知らない」
優「改めて、・・・僕は青野 優です!」
凛「私は、真行寺 凛です。今日は初出勤だったんです」
優「そうだったんだ。。。じゃあ~初出勤の電車で 僕達、行きも帰りも一緒だったんだね」
凛「ええっ そうですね」
優「ねぇ~なんか 運命的なものを感じるね 僕達」
凛「そ、そ、そうですね 」
優「・・・・・・りん・・・・・・いい名前だ!」
凛「・・・・・・ゆう・・・・・・いい名前ですね!」
そんな2人の会話を まん丸お月さんだけが 見ていた
優「凛さん、今度の日曜日 お花見にいかない!?」
凛「わあ~いいですね! 是非連れて行って下さい」
優「じゃあ~そうしよう」
そう言って2人は 携帯電話の番号を交換した。
=凛家=
凛「 おかあ~ちゃ~ん ただいまぁ~」
凛母「なんやねん この子は 。。。帰ってくるなり 嬉しそうな声出して。なんやええ事でもあったんか!?」
凛「~ルン ~ルン ~ルン」
凛母「おとう~ちゃん、この子初出勤で緊張し過ぎたせいか、なんやおかしいわ」
凛父「凛、どないしたんや!?」
凛「おとうちゃんも、おかあ~ちゃんも、・・・なんでもあらへん。あっち、いっといて」
凛母・父「なんでやろ~なんでやろ~家の凛ちゃん、おかしいなあ~」
そうして 凛家の夜は 更けていった。
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