あらすじを、集英社WEB文芸レンザブローさんから。
太平洋を望む美しい景観の港町・鼻崎町。
町には日本有数の大手食品会社・ハッスイがあり、そこに勤める住民と、昔から住んでいる地元住民、移住してきた芸術家たち、それぞれ異なるコミュニティの人々が暮らしている。
鼻崎町で仏具店を営む菜々子の娘は、幼稚園の集団登園中に交通事故に逢い、小学生になっても車椅子で生活している。最近引っ越してきた陶芸家のすみれは、その娘・久美香を広告塔に、車椅子利用者を支援するブランド【クララの翼】を立ち上げ、翼モチーフのストラップを販売することを思いつく。出だしは上々だったが、ある日ひょんなことから「実は久美香は歩けるのではないか?」という噂がネット上で流れ、徐々に歯車が狂いはじめる。母親たちの心の奥にあった、価値観の差、家の事情、それぞれのプライド、隠していた想いが顕わになる。そんなある日、子どもたちが行方不明になり……
不穏な感じの表紙なので、ユートピアではないわな…ってわかります。
ユートピアという言葉の意味と、実際に小説の中で起こることとの差異を楽しんでみました。
イヤミス(嫌な気分で終わるミステリー)を想像してましたが、
確かに嫌な気分ではあるけど、ミステリー要素は弱くないですかね?
弱いっていうか、中途半端な感じがしたのは私だけでしょうかね?
「おまえ芝田か?」の指名手配犯がもっと背後にちらほら見え隠れして
ゾクゾクする感じが欲しかった…ような…
その代わり、主人公となる3人の女性については、一見仲は良さそうなんですが、
話が進めば進むほど、問題が起きるにつれて、いろんな隠していたものが明らかになり、
見えないところでのドロドロとした感情が渦巻いていました。
田舎町というのも独特な空気感を与えていました。
まあ田舎に近いところに住んでますから、すごくよくわかるんですよね…
わかる人こそ“怖い”って感じるんじゃないでしょうか。
一方、純真な子供たち2人が良かれと思ってやっていることが、一番たちが悪い…
そういうところも狙っていたんだとは思いますけどね。
あまりネタバレできないのでぼやかすしかないですけど、
気になっている方は読んでみてほしいなぁ~。
衝撃は無いし、面白い!って絶賛でもないんですけど、いや~な気持ちになりたい方にはお勧めです。
結局こうして怖いもの見たさ、嫌よ嫌よも好きのうち、的な感じで読んじゃうんですよ(笑)
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