『ありがち日記』

仙台文楽公演(2013年・秋)

秋の文楽月間(勝手にそう呼んで盛り上がっていた)が終了…寂しいぜ。フッ…

今回は夜の部へ出かけてきました。
地方公演は、解説が付きます。
夜の部の解説は豊竹芳穂大夫さん!す・て・き!
技芸員の方々は大阪出身の方が多いから、トークも面白い。
楽天優勝の話題から始まり、演目の簡単な紹介、そして、私も「あれっ?」と思っていたけど、
今回から字幕表示ができたよ!っていう紹介がありました。

普段の語りとは異なる魅力を感じるので、解説が好きです(笑)
12月の文楽鑑賞教室、こういうのも楽しみっすなー。うきうき♪

さて、夜の部の演目は、「花競四季寿(はなくらべしきのことぶき)」から万歳と鷺娘。
景事で、四季それぞれの舞踊から構成されているものの中から、春の万歳と冬の鷺娘らしい。
私は華やかな万歳もいいと思ったけど、鷺娘も儚く美しい鷺の精が美しく、
寒い冬から春の気配を感じて期待が膨らむ感じが、素敵だな~って見とれてしまった。
衣装が変わったり、傘を使ったりという見応えもあり、さらに太夫と三味線との掛け合いも良かった。

15分の休憩をはさんで、お次は「ひらかな盛衰記」。
前の解説によると、5段構成で、どうやら全てを演じると一日いっぱいかかるとな…じぇじぇ!
今回はそのうちの1段で「松右衛門内の段」と「逆櫓の段」。
あらすじは置いといて…。
(だって複雑で書ききれないですもん)

そですね、大津の宿で子どもが取り違えられて、その一方が殺されちゃうんですね。
その生き残った子どもは実は木曽義仲の若君で、取り戻すために腰元のお筆さんが
松右衛門のお家にたどり着くところから始まるんですけど。
子どもが殺されたという真実を告げられて、ショックを受けている女房およしとその父権四郎。
そこでやめときゃいいのに、お筆さんは、その2人の心情も考えずに
「そんなに嘆かないで、あきらめて若君を返してちょーだい」みたいなことを言ってしまうわけ。
逆上する権四郎の怒りがそりゃもうすごいったら!
そりゃそーだ。

代わりに若君も殺してやるー!って怒り狂った権四郎を止めたのは婿である松右衛門。
若君の正体と、樋口次郎兼光という自分の正体もそこで初めて明かす。
自分も悲しいけど、どうか子どもの命は助けてやってくれと懇願し、権四郎も納得。
若君は樋口に預けられることになったのである。

そして逆櫓の段。

急に模様替えして荒々しい海の男風情となった松右衛門(樋口さん)が登場。
船頭3人が逆櫓を習いにやってきて、さっそく海に出ることになる。
(ここの舞台の場面転換も素早くて面白い!)
技を伝授するときにかけられる掛け声が「やっしっしー、やっしっしー」なんですが、
芳穂大夫さんの声色が一人一人使い分けてらっしゃって、ダイナミックな語り。圧倒される。
陸で3人が松右衛門(樋口さん)を襲撃するが、あっという間に打ち負かされちゃう。
敵の方でも正体見破って来てたんですな。
そりゃもう強い樋口さんは、あっという間にやっつけちゃいましたけれども。

というところで終わり。

いやー、9月の公演に比べたらまだ短いもんだ。あっという間だった。
そして、初めて観る演目で、面白かった。

今はヨーロッパで公演をしている方々もいて、
人数が少なめだなぁとは思ったけど、舞台は素晴らしいものだったと思います。
燕三さんの三味線、引き締まりますね。それをすごく感じました。

若い学生っぽい子たちもたくさん観に来ていたけど、何だろう?
もっと東北(できれば北東北)でも文楽が上演されたらいいのにな…と感じずにはいられないね。
そうなるにはとても大変だと思うけど。
まずは、自分で可能な限り足を運んで観たいな。

次は12月の東京か。まだ先の見通しがたってないけど、ぜひ行きたい。 


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