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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

ナル二ア読み終わる その2

2007-01-17 15:00:00 | 好きな本
 昨日の続き、ナル二ア国ものがたり全7巻を読み終えた話の後半です。

 が、その前に‥。邦訳では「ナル二ア国ものがたり」ですが、原題は、The Chronicles of Narnia ナル二ア国年代記ですね。年代記という日本語があまり馴染みなく、それよりは物語としたほうが親しみやすかったからかと思いますが。私は、原題が「ザ クロニクルズ オブ ナル二ア」だと知って初めて、すごく読んでみたい気持ちになったのです。繰り返し各巻の冒頭で述べられているように、物語は、順を追って進んでいるわけではなく、ある時代、時代を切り出して、お話としてまとめあげ、そうして全部(全7巻)を読んでみて始めて、ああそういうことだったのか、とわかるようになっています。そう説明されているのだから、「物語」でも「年代記」でもいいのかもしれませんが、それでも、なんか自分の気持ちがまるで違ってきたから不思議でした。私はナル二ア年代記の、今ここを読んでいるんだ、という意識のしかたで、おもしろさが倍増したと感じています。

 
 さて、本題に戻って。
 5,6,7巻は、 『ライオンと魔女』のDVDをお正月に観たことで加速がつき、どんどん読んでしまいました。

 
 第5巻『馬と少年』は、シリーズの中の1冊ではなく、読みきりのお話として楽しめたし 『ライオンと魔女』しか読んでいなかったとしても、時代が重なっている(ピーターたち兄弟姉妹が王様と女王様の時代)ので、おもしろいのではないでしょうか‥?
 飼っていた馬が、ある日突然、「そうなんです、私はもの言う馬なんです。ナル二アには私のように、もの言う動物が他にもたくさんいますよ」なんて言ったら、ほんとはすごーく驚くだろうけど、絶対にそんなことはない、と思えなくなってくるのが、この作品のすごいところです。

 

 第6巻『魔術師のおい』。
 この作品は、ふむふむなるほどね~でした。そういうふうにして、ナル二アは創られたのね、です。
 世界と世界の間の林 という言葉が素敵です。私たちのこの世界から、ナル二ア国が存在する別の世界は、隣りあって在るのだとばかり思っていたのですが、どうやらそれは違っていて、部屋から部屋を繋いでいる廊下のような役目をする場所が、ひとつの世界と別の世界の間にあるそうなんです。

 世界と世界の間の林

 この言葉をもしも子ども時代に知っていたら、どうだっただろうなあと思ってしまいました。 『ルフランルフラン2』の、本のあいだの国 ということばにあんなにビビッと来なかったかも、免疫ができていただろうから‥。それを考えると、悔しいやら悲しいやら。かえってよかったのかも、と思うやら、です。
 
 そうそう、『ライオンと魔女』で出てきた、あの有名な衣装箪笥の謎も、この巻で解けます。それと、第6、7巻は、聖書の色が濃くでているので、聖書をよく知っていて読むと、また違ったおもしろさが味わえるのかなと思いました。 
 

 最終巻『さいごの戦い』
 勇ましいタイトルとはちょっと不釣合いな感じの場面から、話が始まります。ナル二アの森の奥に住んでいる、腹黒い大猿と、気の弱いロバの暮らしぶりです。
 原作では、このふたりは何と呼ばれているのでしょうね。邦訳では、猿の名はヨコシマで、ロバの名はトマドイです。第4巻の泥足にがえもんも、相当いい名前だと思いましたが、この二人には負けてしまいます。邪=ヨコシマと戸惑い=トマドイですもの。こんなに名は体を現しちゃっていいのでしょか?瀬田貞二さんはほんとうにすごいです。

 こっちの世界からナル二アへ行った人たちが、ほとんど全部出てきますが。スーザンは大人になってしまって、ナル二アのことをもう信じていないし、ナル二アでかつて女王だった自分を夢の世界のこととしているので、もう行くことができませんでした。

 ヨコシマの邪悪な計画が進み、タイトル通り、ナル二アの地で戦いが繰り広げられていきます。かつての子どもたちは、どのようにナル二ア最後の王チリアンを助けたのか、戦いの後、みんながどうなったか、ナル二ア世界がどうなったかは、もちろん、読んだ人だけのお楽しみです。

 すごくよい終わり方だったという人がいれば、そうかなと首を傾ける人もいるでしょう。第7巻だけみても、全巻の締めくくりとしてみても、どちらにしても意見は分かれると思います。

 私はどちらかな。感想は色々持っていますが、よいわるいはないし、好きかそうでもないかだったら、好きの方です。

 
 『ゲド戦記』も読んだし、『ナル二ア』も終わったので、次はいよいよ『指輪物語』読破ですね。昨年一度図書館で借りたのですが、期日までに1冊目が読み終わりませんでした。なので、全巻持っている友達に連絡をとって、貸してもらうところから始めようと思っています。

 でも、その前に『ホビットの冒険』を読んでからにしようかな。




 

 
コメント (10)
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