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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

YESTERDAY@ユナイテッドシネマ浦和

2019-11-12 14:23:57 | 好きなもの・映画やDVD

日曜日、家族三人で映画を観てきました。

最初は、歩いて行かれるMOVIXで『永遠の門』という、ヴァン・ゴッホを
ウィレム・デフォーが演じている映画を観ようと思っていたのですが、
微妙に合う時間がなく、浦和か、さいたま新都心では何時始まりかな?と探し
はじめたら、そうだ、『イエスタデイ』を観たいと思っていたんだということを
思い出したのでした。



主人公は↑の真ん中を歩いているジャック。ミュージシャンへの夢を
追い続けています。少し前を歩いているのは幼馴染のエリー。
数学の教師をする傍ら、ジャックのマネージャーもしています。

ジャックは大物になる、とひたすら信じるエリーの願いもむなしく、
いつも観客はまばら。もうあきらめようと、思ったその日の夜、
世界中が一斉に12秒間だけ停電!!という珍事が起こり、ジャックは
その最中に事故に合ってしまうのです。

意識がなくなっていた間、世界で何が起こっていたか、知る由もない
ジャック。お見舞いに貰ったギターで、ふと「イエスタデイ」を弾いてみると、
エリーも友達も、初めて聴く名曲にびっくり。当のジャックは悪い冗談で
からかわれているに違いないと怒ります。
だって、そうですよね? ビートルズのイエスタデイを知らない人なんて
世の中に居るでしょうか?

でも、ほんとうに、あの12秒間の世界大停電の前と後とでは、セカイは
変わってしまったのでした。
そして、ジャックは、ビートルズの存在していない世界に存在することに‥。

思い出せる限りの曲を思い出し、歌って聴かせてみるジャック。
素晴らしい曲の数々に誰もが魅了されてしまいます。
実はこれは僕の作ったものではないのです、と口元まで出てきても、
誰もジョンやポールを知らないし、なんと本物のエド・シーラン(ご本人が
演じています)から、ライブのオープニング・アクトを任されることになり、
夢だった人気ミュージシャンへの階段をいっきに駆け上っていくジャック。
そんな彼を、誰が責めることができるでしょうか。


物語は、ジャックが有名になるにつれて、疎遠になっていったエリーとの
ストーリーも、同時進行していきます。
イギリスの彼らが育った町、ライブ演奏で行ったモスクワ、新たな契約を
結ぶために訪れたロサンジェルス‥場面はくるくると変わりますし、気になるのは
ジャックが自分の良心に従えるのか否か、はたまた天才として世界デビューを
成し遂げてしまうのか等々。
コメディをみるようなわりと軽い気持ちで楽しんでいたのですが、終盤へと
さしかかったところで、思いがけない人物が出てきました。
ネタバレを避けるために、ここではそれがどなたかは控えますが‥私はその
不意打ちとも言える「彼」の登場にじんわりとやられてしまい、そこから先は、
涙が出てきて困りました。

パラレルワールド‥並行世界、この現実とは別のもう一つの現実が存在する世界 

「彼」が、私たちの知っている「彼」として存在していない世界。
海のそばに住み、若い時は船乗りをしていたのだと「彼」は静かに、ジャックに話します。
本当に、そういうセカイが存在しているのだとしたら、今ここに居る私たちは、
今ほど幸せだったのかー。でもそっちのセカイなら「彼」は生きていくことができたよね、
とココロが揺れて揺れて仕方ありませんでした。

映画は、「オブラディオブラダ」でエンディングを迎えます。
またひとつ、ココロの引き出しにしまうことができる映画が増えました。



帰り路、ビートルズの曲を意識して聴いたことがない(はずの)娘に訊いてみました。
「映画の中の曲どう思った?」

どの歌もみんなよかった、と娘は応えます。そして聴こうと思って聴いたことは
なくても、どこかしらで聴いたかも?というのは何曲もあった、とも言ってました。

私たち、ビートルズの存在している世界に居て、幸せです。



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