図書館の返却本の棚がわりと好きです(笑)。
自分では探せないような本が見つかることがあったり、
シリーズものや同じ作者のものが数冊並んでいたりすると、
(見知らぬ誰かは)これにはまっていたのねーとか思ったりして。
この本も、先日偶然見つけて借りました。
『曽根崎心中』 原作 近松門左衛門 角田光代 著
たいへんインパクトのある表紙だし、へえー角田さん、こういうのも
書いているんだーと興味を持ったので借りてきました。
近松の心中ものといえば‥
大変むかし、川口のリリアホールで、蜷川幸雄演出の
『近松心中物語~それは恋』というのを観たことがありまして‥。
先日の大阪観光の際、「お初天神」へ行こうと思い立ったのも、元々は
それが頭に残っていたからで、それプラス『阿蘭陀西鶴』という小説に
近松門左衛門が登場してたからなのですが。
今日調べ直してみたら、舞台の『近松心中物語』イコール『曽根崎心中』
ではなかったことが判明しました。(まあ私ひとりで納得すればよいこと
なのですが)
でもそれはそれとして、角田さんが書いた『曽根崎心中』は、お初目線が
しっかりしてて、恋とはなんぞ?と思っていたお初が、徳兵衛に一目ぼれをし、
恋の喜びを知り、いつかは一緒にと夢見た矢先、徳兵衛の縁談やそれにからんだ
金銭問題(銀二貫)やお初の見受け話(お初は遊女ですから)が
ほぼ同時期に起こり、にっちもさっちも行かなくなるのですが。
徳兵衛なしの「今」を生きることに何の意味もないとお初は思い、
徳兵衛の弱いところやもしかしたら嘘をついていたのでは、と
薄々感じつつも、それさえもひっくるめて、徳兵衛を受け入れるところに
強い母性を感じ、読み手の私は、哀しくなりました。
ただ徳兵衛だけを愛し、徳兵衛だけを信じ、盲目的に死んでいかれたら
お初はもっと幸せだったのでは、と思えてきて‥どんな時にも、死んでいく
時でさえ女は男の弱さもダメさも引き受けてしまうものなのかなーとか
思ってしまって。
ところで。
数年前に『銀二貫』という小説を読んだことがあって、先日のそれの
ドラマの再放送がありました。
なかなか面白く、そうそうこういう話だったと思いだしたのですが、
それに関する何かを読んでいたら、作者の高田さんは、『曽根崎心中』に
出てくる「銀二貫」‥今の貨幣価値だと300万円くらいらしい‥から
『銀二貫』を思いついたと書いてありました。
こういうシンクロナイズド的なことがあるのも、読書の楽しさかなーと
ひとりで思い、忘れないようにブログに書いておこうと思いました。
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