せっかく角野栄子さんの講演を聴いたのですから、そのお話の中味も記しておこうと思います。
講演会は、5月3日から5日まで行われていた「上野の森 親子フェスタ」のHPで知って、
申し込んでみたのですが、当日会場に行ってみると、大きな着ぐるみアッチも来ていたし、
壇上のテーブルには全6巻パペット付きの本が用意されているし、案内パンフレットをよく見ると、
ポプラ社協賛と書いてあるので‥あ、本の宣伝??と思ったのでした。
ちょっとひきぎみの気持ちでしたが、本物の角野栄子さんが壇上に現われ、お話が始まると、
もやっと感よりも、その喋り方が、叔母に似ているほうが気になって(笑)、そしてしだいに、
お話に引き込まれていきました。
「ちいさなどうわたち 全6巻」を刊行するにあたって、ぜひこのお話は入れてもらいたい、
という強い思いがあったことや、どうやってそのお話が誕生したかについて語られたのですが、
全集の中の物語をひとつも読んだことがないゆえ、「共有」することができず、すこし残念でした。
1時間余りのお話の中で、最もおもしろかった部分は、角野さんが25歳の時にブラジルへ移民として渡り、
そこでブラジル語をどのように習得していったかというくだりでした。
ブラジルで生きていくためには、働かなければならず、働くためには、言葉がわからなければならず。
必要に迫られ、同じアパートに住んでいた15歳の少年に頼みこんで、「先生」になってもらったそうです。
なぜ、その少年を「先生」に選んだかといえば、それは、「子供だったらお金を払わなくていいでしょ?」と角野さん。
まるで、ついこの間のことのように笑いながら言いました。
彼のおうちは、お父さんが大道芸人で、お母さんが歌手なの。
だからその子もね、全身リズムの固まりみたいな子でね、始終何かを叩いているし、
喋る時は体をゆすっているし。ブラジルの子だから、サッカーもすごく上手で、
玉ねぎでもじゃがいもでも、なんでも蹴っちゃうのよ。それでね、絶対下に落とさないの。
赤ちゃんがいろんなものを吸収し、覚えていく時と同じように、ブラジル語に対して「赤ちゃん」だった自分に、
その少年の教えてくれた言葉は、リズムとともに入ってきて。そうやって覚えたことは、いつまでもいつまでも
忘れないものだと、おっしゃっていました。
5歳の時にお母さんを亡くした自分に、お父さんが語ってくれた様々なお話が、成長しても、いつまでも心に
残っているのと同じようなものだとも。
そうそう、そのブラジルの少年のお母さんが、日本人と知り合いになったのだからと、日本のことを歌って、
レコードにしたいと言ったのだそうです。そして角野さんも、その方と一緒に、バンドのメンバーを集めたり、
八百屋さんの奥にある、マイク1本が立っているきりの録音スタジオに行き、録音に立ち会ったりしたのだそうです…。
遠い遠い昔のブラジルの話なのに 『ブエナビスタソシアルクラブ』の映画のシーンが、いつの間にか、
私の頭の中ではだぶっていました。
角野栄子さんが、お若い時に、ブラジルに住んで居たことは知っていたけれど、音楽とはちっとも結びついて
いなかったので、その意外性がなんとも楽しく、また、角野さんにとても親密な気持ちをいつしか感じていました。
そのブラジル録音の曲には後日談があって。
長い長い間忘れていたのに、ある時、小室等さんと対談する機会があり、そこでもレコードの話をしたそうなのです。
どんな歌なの?歌ってみてよ、と言われても、ちっとも思い出せないからだめと答えていたのに、小室さんが「こんな感じ?」と
ギターを弾いてくれたら、なんとすらすらと歌詞が出てきて、1番だけなら、すべてが歌えたそうなんです。
「それからね、毎日毎日、その歌を歌っているんです。
貰ったレコードだって、とっくの昔にどこかへ行っちゃったし。
毎日歌ってないと、忘れちゃうでしょ?」と、角野さん。
その歌、どんな感じなんでしょう。ワンフレーズでいいから歌って欲しかったなあと、今も思っています。
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jesterさんに「どんな講演?」と訊ねられて、
そうだ、肝心の内容をやはり記しおかなければ、と
いう気持ちになりました。ありがとうございます。
角野さんのブラジル時代の話を聞いていたら、
今まで、たったの一度も、ブラジルに行ってみたい
と思ったことないのに、なんだか、ブラジルが
とてつもなくステキな場所に思えてきて、行ったことが
ない自分が、もったいないことしているようにさえ
思えてきました。
どんな講演でしたか?なんて↓で聞いちゃったんですよね~
ブラジル語を子どもに習う・・・お金がかからないから・・・なんて、面白い人ですね~
歌を忘れないために毎日歌ってる、っていうのもなんか素敵。
ぜひ聞きたかったですよね、その歌・・・
実家の梅の実、すごかったですね~
あの写真のだけでも、そう思ったのに、
まだまだたくさん獲れたんですよね、すごいなあ。
どうわしゅうのお話のことで、覚えているのは
アッチはとても人気が出て、本が売れたのに、
その仲間のコッチやソッチは、そうでもなかったので
ぜひ、アッチのお話を入れるのなら、その仲間たちも
一緒にしてあげたいと思った、とおっしゃって
いました。
それと、ネッシーみたいな怪獣?が出てくる話。
それも続編があるので、それをぜひ入れたいと
言ったとも…。
他にもいくつか覚えているのもあるのですが、
肝心の本が手元にないので、題名や登場人物の
名前がわかりません。またいつか、お店に伺った
ときにでも…。
角野さん、魅力的ですよね。
rucaさんの文章を読んでいるだけで、
よーく、つたわってきます。
今回の本のおはなし、ききたかったなー。
ぜひこのお話は入れてもらいたいって、
どのおはなしだろう・・
ききたーい。
私も、角野栄子さんをこんなに身近に感じるとは
思ってもいませんでした(笑)。
東京の下町ことばとは、いわゆる江戸っ子弁?のことで、
私が住んでいる埼玉県のK市も、その範疇に入るのかな
と思っています。だって、埼玉の川越出身の母の言葉
よりも、叔母の言葉の方が、ずっと自分の言葉に近い
感じがするのです。とっても不思議で、おもしろい
体験でした。
『魔女の宅急便』はとてもお薦めです。映画の内容に
近いのは1巻だけで、あとは青春期特有のせつなさや、
母と娘の関係など、色々と語られています。そうそう
薬草を育てるところが、何巻目かにあって、なんだか
身近な話題に思えました。
正直、これまでほとんど何も知らなかった角野栄子さんですがrucaさんのお話を読んで、とても親近感を感じました。(笑)
魔女の宅急便はずっとジブリの映画だとばかり思っていたのですが(恥!)図書館で本を知ってから、気になる一冊ではあったのです。
私も、1巻から読んでみようと思います!