安倍晋三 再発し始めたもう1つの「病気」- ゲンダイネット(2012年11月30日07時00分)
自民党の安倍総裁を異常なまでに称賛した本「約束の日 安倍晋三試論」が売れている。
発売は8月末。なのにいまだに、紀伊国屋書店新宿本店の総合ランキング(11月5~11日)1位、アマゾンの社会・政治・政治家部門(11月21日)で1位とか。
本を開いてみると、「戦後歴代首相の誰一人として所信表明で国家像を提出した首相はいない」と大絶賛。朝日新聞の偏向報道を叩き、自殺した松岡農相の起用も「内閣支持率より松岡のリスクを選んだ」と高評価である。
こんなトンデモ本も、アマゾンのレビューでは「参院選に大敗し、病で倒れる安倍氏と三島由紀夫を重ね合わせるシーンでは、正直泣かされた」「こんな政治家、他にいるか? 失礼ながら、石原氏や橋下氏とは格が違う」とほとんどが5つ星だ。
これが安倍を勘違いさせているらしい。党首討論を申し入れた民主党に、「インターネット動画サイトで受ける」と言い出した。もともとネットでは人気がある。だから、気分よくやれると思っているのだろう。ほめられる媒体を重用し、批判する媒体を毛嫌いする。お腹と同じ安倍の“持病”が再発だ。
「お腹をチャカしたフジの『とくダネ』にかみつき、痴漢アナ報道で誤って安倍の顔写真をカットインしたTBSの『朝ズバッ!』もネチネチと批判。首相までやった政治家なんだからデンと構えていればいいのに、すぐにカリカリする。器が小さいのです」(政界関係者)
ところがネットでは、これらの番組がやり玉に挙げられている。吉祥寺で応援演説をする安倍の取材に来たTBSのテレビクルーが“ファン”から罵声を浴びる光景も目についた。これでは安倍も反省しない。
「安倍さんは首相時代にメディア選別をして失敗している。仲が良かったのは“1(NHK)、6(TBS)、産経”。自分にとって有利な報道をするメディアとは懇意にするが、それ以外は排除していた。当然、外されたところは面白くない。連日、『お友達内閣』『学級崩壊』と叩かれたのは、安倍の政権運営が稚拙だったからだけではないのです。メディア戦略で失敗した。それなのにまったく懲りていません」(メディア関係者)
学習能力のないお坊ちゃまだ。
(日刊ゲンダイ2012年11月27日掲載)
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