以前にも紹介しましたが「春はあけぼの」で知られる清少納言の枕草子には「鳥は、オウム、ホトトギス、クイナ、シギ(以下略)」とシギの名が挙げられています

今から1000年前に亡くなった彼女(966?~1025年)がオウムを知っていたのは驚きですが、720年成立という日本書紀にもオウムの記事があるとか

清少納言が「いとおかし」(大好きな)鳥として入れたシギは、今も京都鴨川でよく見るこのイソシギでしょう

図鑑(日本の野鳥590・平凡社)ではユーラシア大陸、アフリカ大陸、東南アジア、オーストラリアに分布、南北アメリカ大陸に分布なし

手元の北米野鳥図鑑(national geographic field guide to the birds of north america)には、イソシギは「アリューシャンレットなどで稀な渡り鳥として時々見られる程度」と記載

一方、イソシギによく似たspotted sandpiper(アメリカイソシギ)が、南北アメリカ大陸に広く分布しているようです

アメリカイソシギ(全長19cm)はイソシギ(全長20cm)よりやや小型、繁殖期には首、胸、腹部に濃褐色斑が出て魅力的な姿となります

米国のシギチドリ図鑑(shorebirds)のイラストを見ると、アメリカイソシギの翼帯は狭く、イソシギの方が幅広で目立ちます

また翼下面の白色模様と尾羽の白色部分もイソシギの方が鮮やかで、非繁殖期だけならイソシギの勝ち?
